Vol.139  魚食の新星!水産インフルエンサー

スギヨの展示会に参加し、カニカマレディ1号(広報の田畑梨杏里さん)と記念撮影に応じたハナコさん?

 芸能人だけでなく一般人を含めて、世間に大きな影響を与える人物を指す「インフルエンサー」。昨今は交流サイト(SNS)の発達にしたがって次々と誕生し、多方面で活躍している。水産業界においては30年近く最前線を走る「さかなクン」以外にも、さまざまな個性や才能をもった「水産インフルエンサー」が現れている。水産物に心奪われ、自らがシンボルマークとなって魅力を発信する存在を掘り下げてみた。

“好き”を全力で発信

インスタグラムには3万人以上のフォロワーがいる

 ねり製品業界を例にすると、代表的な人物といえば「カニカマハナコ」さんだ。フリーで活躍する主婦でほぼ毎日、SNSなどでカニカマを使った料理を発信している。数々の有名テレビ番組の出演実績があるほか、インスタグラムのフォロワー数は8月中旬現在で3万人を優に超えるなど絶大な影響力を誇る。

 提案する料理は和洋の枠にとどまらず多国籍で、主菜から副菜、朝食から夜食まで多岐にわたる。代表的なメニューは「カニカマメンマ」や「カニカマチリソース」。テレビでも紹介され、一躍話題を呼んだ。

 「毎日どうやってカニカマをもっとおいしく食べられるかいつも考えている」と話すハナコさんだが、意外にももともとカニカマが好きだったわけではないという。主婦をインフルエンサーに変えるきっかけとなったのは、カニカマの生みの親(株)スギヨの存在だった。

 60歳を過ぎてから打ち込めることを探す中、不意に出会ったスギヨのカニカマの味に驚愕(がく)。久々に口にすると「これまで食べてきたものとは違う」と技術の進化に感動し、とりこになった。その後にカニカマ料理の投稿を日課としてスタートし、次第に注目を集め、気付けば公開したレシピは1300件を超えていた。

 お気に入りのカニカマは、スギヨの「香り箱」。毎日1パック(12本入り、約100グラム)以上消費するのはもはや習慣のようになっている。このような生活が約4年が経過し、飽きも心配になってくるが「どう調理するか考えるのは楽しくて、カニカマ愛は増している」とまだまだ余裕の様子だ。

カニカマで第二の青春

テレビでも話題となった「カニカマメンマ」

 SNSを起点に始まった活動だが、活躍の幅も広がっており、昨年には自身の母校で初めてカニカマを使った学食の監修を務めた。学校行事が中止となってしまった学生たちを楽しませるイベントとしての企画で、今年で2年目になる。提案した「カニカマ丼」などのメニューは一部で売り切れが出るほどの好評を博した。

 そんなハナコさんの今後の目標は「カニカマへの恩返し」。「カニカマに出会ってからたくさんの機会や交流に恵まれ、第二の青春を楽しめている。認知されてないカニカマの魅力はまだまだある。少しでも世の中の多くの人に知ってもらいたい」と語り、きょうも魚食ならぬ「カニカマ食」普及に邁(まい)進している。

宮城で活躍!ホヤのアイドル “ほやドル”萌江さん

販売イベントで来店客にホヤを勧める萌江さん?

 宮城県特産の珍味・ホヤ。「甘み」「塩味」「酸味」「苦み」「うま味」と人間が感じられる5つの味すべてと、磯のような香りを併せもつこのユニークな海産物を愛してやまず、「魅力をもっと多くの人に知ってほしい」とホヤのアイドル?ほやドル?となった人物がいる。名産地・石巻出身のシンガーソングライター・萌江さんだ。

 2017年から活動を開始し、宮城県を中心に「ほやのマーチ」や「美味しいホヤの捌き方」などホヤに関する直球な歌をさまざまに発表。自らもホヤのようなオレンジ色の衣装に身を包み、ホヤの形をイメージした髪型をセットし、「ほやっほ?!」とオリジナルの掛け声でファンにあいさつする徹底ぶり。「ホヤは最高においしい。少しでも知ってもらうきっかけになりたい」と、地元の特産物や企業のPRにも積極的に活動している。そうした活躍が認められ、19年には地元・石巻市の「いしのまき観光大使」にも就任している。

 地元のホヤ販売イベントなどに登場することも多く、ホヤに似た抜群のキャラクター性も相まって知名度と人気はじわじわ上昇。見かけた時にはぜひ「ほやっほ?!」と声を掛けてみてほしい。

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