Vol.115  魚があれば楽しめる!スポーツ観戦と家飲み

 スタジアムのスポーツ観戦は、新型コロナウイルス感染防止策として大声を出す行為などを禁止する新しいルールを導入した形で、有観客試合が再開された。ただ、会場収容者数や応援方法、飲食に制約があり、会場でなく自宅でスポーツを見る人が増えている。この状況を前向きに楽しむため、魚と酒の力を借りてみた。

自宅でオンライン応援

 プロ野球やサッカーJリーグは7月に観客を入れた公式戦を再開したが、昨年までの見慣れた応援風景ではない。感染リスクを最大限に防ぐための新しい様式を、「静かにプレーを楽しめる」と喜ぶ人もいる。ただ、トランペットなどの鳴り物に合わせて、周囲の人と大きな声を出して応援する一体感に乏しい。何より、開放感あふれる空間で飲むビールが恋しい。

 一方で、無観客試合を開催したこともあり、インターネット観戦の環境整備が進んだ。配信するスポーツも地域も、テレビのBSやCSの専門チャンネル以上に充実している分野もある。無料配信で新たな客層を獲得したほか、課金システムの浸透もあってスポーツのネット配信が成長。「自宅でオンライン観戦」の幅が急激に広がった。

 せっかくならば、楽しく応援できる雰囲気を演出したい。スタジアムの「一体感」や「開放感」に勝るのは、「冷蔵庫」と「電子レンジ」だ。

試合時間でお酒も変化

アジフライとビールで閉塞(そく)感を打ち破れ

 試合開始に合わせて用意するのは、熱々のアジフライと冷たいビール。この相性を疑う余地はない。フライにはたっぷりレモンをかけて、塩コショウでさっぱりと夏らしく。揚げたてを食べられればこのうえない喜びだが、惣菜として購入し電子レンジで温め直してもよし。熱々のフライは、新聞紙に乗せると油を吸った紙から蒸気が出る。網を敷いたバットや金ザルに立てると、冷めてもサクサク感が残る。

 ビールでのどを潤したら、刺身と冷酒の組み合わせに移行する。狭い観客席では困難な配膳といえる。そもそもスタジアムで生魚を食べるリスクが高い。夏のデーゲームならばなおさらだ。ジャンプを繰り返す応援に両隣を挟まれ、「醤油小皿がひっくり返るんじゃないか」との心配もない。

自宅観戦だからできる刺身と日本酒

 試合も後半戦に入る頃には、おなかが満ちてくる。自宅ならば煮魚に焼酎のお湯割りだって味わえる。ダラダラと骨の周りをしゃぶる時間が、停滞した攻防を飽きさせない。夢中になって小骨を取る時に限って得点は入りがちだが、テレビならばリプレー映像が即座に挿入される。インターネット視聴の場合、多くが巻き戻しもできる。箸を上手に使えていたら、マウスもスマートフォンも汚さない。

 仲間と観戦すれば、試合後はどこかで飲み会を開きたい。だが、考えることは皆同じで、球場周辺はどこもいっぱい、会場選びが大変だ。自宅に居れば試合終了時間に合わせて、観戦仲間とオンライン飲み会を開く。興奮冷めやらぬまま、きょうのプレーを語り合える。

 ひいきのチームが勝利したら、ちょっと高価なウイスキーを開けてみる。肴(さかな)は変化球でみりん干だ。ウイスキーとチョコレートの組み合わせに近い。身の薄いカタクチイワシやマイワシ、アジならば、電子レンジで加熱調理できる。手元の危ない酔っ払いに、火を使わせてはいけない。

甘辛いみりん干にウイスキーで締め

 ほかにも、地方予選や地元密着スポーツを観戦する際に、地域で人気の加工品を取り寄せてみたり、レジャーシートを敷いて屋外観戦を演出したり。家の備蓄庫から水産缶詰を発掘すれば気持ちも高ぶる。何より、人の波にのまれながら最寄り駅へ向かわなくても、すでに自宅という安心感がオンライン観戦にはある。

 ただし、興奮のあまり大声を出せば近所迷惑になるので、ご注意を。

▲ページトップへ

魚食応援バナー02
魚をもっと知ろう!ととけん問題にチャレンジ
BACK NUMBER