日本水産が「ゲゲゲの鬼太郎」を起用したのは2018年3月。翌月から始まるテレビアニメの第6期放送開始を機に養殖ギンザケ「境港サーモン」の店頭販促に起用した。理由は「境港サーモン」が鳥取県境港市の弓ヶ浜水産で生産していること、境港は鬼太郎を生んだ水木しげる氏の出身地でありイメージが定着している点だ。
同社では「境港サーモンというブランドの認知を図り、おいしい魚を皆さまに召し上がっていただきたいという理由でコラボを実施した。鮮魚売場のバイヤーには売場活性化の一助となることを理解してもらっており、快く受け入れていただけるケースが多い」と話す。
また同アニメとコラボしたプレゼントキャンペーンでは、応募総数3万通を超えており、生の声を拾い上げて、チェーン店ごとに購入理由を分析、今後の販売拡大策の提案に役立てることがもう一つの大きな目的だという。
「お客さまからは『毎年楽しみにしている』『孫に欲しいと言われて初めて購入した。とてもおいしかった』などの声をいただいている。来年も継続したい」と効果を感じているようだ。
一方、理研ビタミンは、看板商品の一つ「リケンのわかめスープ」が今年発売40周年であることから、小学校低学年の子供がいると想定される30?40代の女性を主なターゲットに特に夕飯時の利用喚起を図ろうとキャンペーンの検討を重ねた。
その結果、「うちのために作ってくれたのかと思うような作品を発見した」と少女コミック誌「なかよし」に19年に掲載された異色の「わかメン―The Mineral Boys」を起用することになる。
内容は、海の底に住む美しい双子のワカメの兄弟の物語で癒やし系イケメン漫画だそう。作者にオリジナル漫画を描き下ろしてもらい、人気声優を起用した動画を作成、公式サイトにアップして関係筋を中心に話題になっているとか。
戸田雅康マーケティングチームリーダーによると「ワカメは体によいといった漠然としたイメージはあるが、ワカメの価値を十分アピールできていないと感じる。価値を伝達し、納豆、ヨーグルトのようなステージに上げたい」というのが本当の狙いのようだ。