ここ数年、新型コロナウイルス禍により外食利用の減少や対面販売が減ったことがきっかけとなり、現在はさまざまな食品が自販機などで冷凍販売される機会が増えたようにみえる。自販機だけでなく、昨今の冷凍技術が格段に進化したことも背景にあり、鮮度が命の寿司もかつての冷凍寿司に比べれば、握りたてとほぼ遜色のないものがスーパーや外食で提供される時代になってきた。今回は冷凍寿司の現在を探ってみる。
FOOD&LIFE COMPANIESグループの持ち帰り寿司専門店を展開する(株)京樽(東京・中央区、堀江陽社長)が、昨年12月に同じグループのスシローとのダブルブランド「京樽・スシロー重吉綾瀬駅店」に「冷凍鮨自販機」を初導入。24時間いつでも購入でき、「冷凍鮨」を電子レンジで温めるだけで寿司が楽しめるということで好評だという。今年4月には、回転寿司スシローの「スシロー大宮店」「スシロー春日部店」にも導入した。
FOOD&LIFE COMPANIES広報では、「自販機設置台数自体は3台なので多くはないが、24時間稼働していることもあり、深夜から朝にかけて(利用者に)販売できている。自販機での売り上げは全体を通じた売り上げの中でも貢献してくれている」と話している。
最もよく売れているのは、京樽の看板商品でもある「茶きん鮨」をひと回り小さくした「姫茶きん(6個入り)」だとか。京樽が長年作り続けてきた料理の知見と技術によってできた「冷凍鮨」。今後は自販機の台数をすぐに増やす計画はないが、「冷凍鮨」のBtoB販売やふるさと納税での取り扱いを始めるなど、今後も着実に「冷凍鮨カテゴリ」の販売を伸ばしていく予定としている。
先日、大阪にグランドオープンしたイオンタウン松原では、特殊冷凍機メーカー・デイブレイクの急速凍結機を使った「冷凍dai革命」商品が冷凍寿司を含め、ずらりと並んだ。寿司種コーナーでは冷凍のシャリと寿司種がそれぞれ販売されるなど、新たな寿司の形が示された。