Vol.156  今年のバレンタインは魚で!

カマボコのバレンタインプレゼント

 今年もバレンタインデーが近づいてきた。日頃の気持ちを伝えるバレンタインのプレゼントはチョコレートが定番だが、甘いものが苦手な人や酒にも合うと根強い人気があるのが、ねり製品のバレンタイン商品だ。毎年、バレンタイン向けに商品を展開している鈴廣かまぼこ(株)に動向を聞いた。

鈴廣かまぼこに聞く

手書きのメッセージも贈れる「プリかま」

 小田原のねり製品メーカーの鈴廣かまぼこは「カマボコのある暮らしを提案しており、季節ごとにカマボコを食べてほしい」との思いのもと、20年以上前からバレンタイン向けにカマボコ商品を展開してきた。現在、バレンタイン向けに販売しているのは「心焦がして」「ぷちはぁと」「はぁとかまぼこ」を中心に、詰め合わせセットやパッケージを選べる「こ・こ・ろ」などを展開。また、カマボコに手書きのメッセージを焼き付けできる「プリかま」も人気がある。
 ハート形のデザインの焼きカマボコ「心焦がして」、サクランボ酒がほんのり香る、ひと口サイズの白とピンクのハート形の焼きカマボコの「ぷちはぁと」、中央にハートが入った切り出しカマボコの「はぁとかまぼこ」とそれぞれ特徴を出すことで、幅広いニーズに対応している。

ビールが付いたセットも

 発売当初はバレンタインにねり製品を贈ることに物珍しさもあったが、最近ではバレンタインシーズンが近づくと交流サイト(SNS)でも投稿が増え、若年層の目にも触れることで、今では20代から年配の人まで、幅広い年齢層から支持を獲得。「徐々にリピーターも増えてきた。お酒が好きな人や甘いものが苦手な人に好まれ、最近ではカマボコが体によいことも浸透し、ダイエット中の人にも贈りやすい。健康志向の需要もあるのではないか」(同社)と分析する。
 プレゼントをきっかけに、カマボコを食べるようようになった人もおり、普段の魚食普及にもつながっている。

 

ネット販売で県外から注文 ~細工かまぼこ周知にひと役~

人気商品「プティ・キャレ」のバレンタイン仕様を限定販売中

 「細工かまぼこ」などの独自文化が発達する富山県で、1980年ごろから「バレンタインかまぼこ」を展開してきたのが(株)河内屋だ。2024年は王道「ハート蒲鉾」のほか、贈答で一番人気の自社ブランド「プティ・キャレ」のバレンタインバージョンを、期間・数量限定で販売している。
 同社は常に新しさを追求し活路を開いてきた。「細工かまぼこ」では、かつての主流と真逆の〝小さい・軽い〟にこだわってきた。「バレンタインかまぼこ」もその一つ。当初は見向きもされなかったが、見た目の愛らしさと「甘くなく酒のおつまみにもなる」(河内肇社長)として定着。近年の販売数は安定している。
 普及が進むネット販売とも相性がよく「県外からの注文が増加し、『細工かまぼこ』市場の裾野を広げている」という。

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