Vol.142  毎月3–7日は「さかなの日」

彩り豊かなサイドディッシュを揃えている

 水産物の消費拡大を目指し、水産庁は毎月3–7日を「さかなの日」と制定した。野村哲郎農林水産大臣が10月28日に宣言し、本格始動。農林水産省としてはこれまで実施したことのない「〇〇の日」として水産物消費の底上げを目指す。新たに立ち上げた「さかなの日」のホームページには、賛同するメンバー628社・団体のリンクが貼られ、それぞれの活動詳細を確認することができる。大手水産会社や卸、外食など業態は幅広く、さまざまな活動を紹介している。

キッコーマン「FISH A WEEK 週一魚」開店

四谷の1号店。魚素材の店だとひと目で分かる

 調味料メーカーとして知られるキッコーマンも「さかなの日」の取り組みに賛同する企業の一つ。農林水産省の調査で「魚を食べたいと思いながら摂取できていない人が多い実態」を社会課題ととらえ、手軽に水産物を食べられる外食店として「FISH A WEEK 週一魚」を11月1日、東京・四谷に1号店をオープンした。
 同社が参考にした農林水産省の調査では「栄養バランスの取れた食生活を実践したい」と考えている人は多いが、20?40代の働く若い世代で「実行できていない」との結果が出ており、普段摂取できていない食材と栄養素として「魚」「食物繊維」「野菜」に着目した。

 そこで、日本人において消費が減少傾向にある魚を使用したメイン料理と、食物繊維が豊富なもち麦ご飯、ビタミン類を含む野菜をセットにし「健康的でおいしい食を届けて、結果として健康になってもらうこと」を目指している。

 メニューはDHAやEPAを豊富に含む魚を、相性のよい病みつきになるスパイシーなソースと一緒に提供する。
 スタート時にはサバの西京焼き、サバのタンドリー焼き、ブリのガーリック焼き、バラマンディの照り焼き、サーモンの香草焼き、カツオのタタキといった魚メニューを用意。いずれも骨は取ってあるため食べやすい。今後は新しいメニューとの入れ替えも順次、行っていく。

ワンプレートでヘルシーな食事を楽しめる

 販売はイートインとテイクアウト、デリバリーで始まり、11月28日からキッチンカーでの販売も始める。一食750円からの価格設定で、習慣化のために月に5回で3480円(一回当たり約700円)のサブスクリプションモデルも用意している。

 5年後には、10店舗体制とすることを目標としている。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部(内科)の津川友介公衆衛生大学院准教授は「魚の摂取量が多い人の方が心筋梗塞、がん(乳がん、大腸がん、肺がん)の死亡率が低いことが複数の医学研究で報告されている。FISH A WEEKは本当に健康によい食事をおいしく提供する『新しい日本食』」とのコメントを寄せている。

水産物消費、底上げへ

 海の豊かさを守ろうとするブルーシーフードガイドの理念に賛同し、パートナーに加盟。原料は持続可能な漁法で漁獲された水産物を優先使用している。

 同社がこの取り組みにつながるプロジェクトを始動したのは実は5年ほど前。開店が水産庁の「さかなの日」のスタートと同時期になったのは偶然で、事業開発部の茂木潤一部長は驚きつつも歓迎する。毎月盛り上げるためにも、「さかなの日」期間中はインスタグラムをフォローするとワンドリンクサービスを予定している。

▲ページトップへ

魚食応援バナー02
魚をもっと知ろう!ととけん問題にチャレンジ
BACK NUMBER