Vol.159  サーモンのラーメンはいかが

サーモンを丸ごと使ったラーメンを提供

 東京・神楽坂にサーモン一尾丸ごと使ったサーモンラーメンを提供する、その名も「サーモンnoodle3.0」がある。東京・大阪などに11ブランドの魚介系ラーメン店を運営する、縁petit(株)(丸尾聖社長)が2022年にオープンした同店。フレンチのシェフが考案したサーモンのラーメンに魚丸ごと一尾使うことで、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の考えも取り入れた独創的なラーメンに目が離せない。総料理長を務める、坂祥太同社飲食事業開発部長に話を聞いた。

フレンチシェフが作るラーメン

坂部長

 同社はサーモンのみならず、カキやタイ、カニなど魚介類を主軸にしたラーメン店を展開。「ラーメンは骨からダシを取るので、サーモンならサーモンの骨が活用できる。もともとシーフードに的を絞った展開をしていた中で、福島の林養魚場との出合いがあり、サーモンに絞った店を開くことになった」と坂部長。坂部長はもともとフレンチのシェフ。調理師専門学校卒業後、22歳で渡仏。その後、二つ星レストランで研鑽(さん)を積んだ。フレンチの技を取り入れ提供するのが「サーモンラーメン」だ。

 

豊富なメニュー

「サーモンはフレンチでもよく使われる食材。味も濃いので個性も出しやすい」という。ニンジンのムースなどフレンチの技を生かしつつ、水分子調理器を取り入れるなど最先端の技術も使う。「一杯でフレンチのコース料理を表現している」と魚や野菜、スープなどがうまく組み合わさっている。
 またフレンチといえば、バターや乳製品などを使い高脂肪・高カロリーになりがちだが、豆乳を加えるなどし、健康志向にも配慮。そういう点も受け入れられ、女性客が8割を占める。

 

おしゃれな外観

 交流サイト(SNS)やメディア、インスタグラムなどを活用することで、開店当初から行列ができるなど広報活動にも力を入れている。「生産者の思いを伝え、ストーリーづくりにも力を注いだ」(坂部長)と一杯のラーメンができるまでの話を知ることで、より身近に感じることができる。

 
 

浜を回り声を聞く

サーモンを余すことなく使う

 坂部長は実際、浜を回り食材探しも行う。また産地で話を聞くことでそこが抱える課題などを聞き、料理に生かしている。「これまで使われず破棄されていたものを有効に活用できれば、自分たちだけでなく、生産者や加工業者にとってもメリットがある。これからもいろいろな魚種でラーメンを作りたい」と坂部長。日本のみならず、今後は世界のラーメンブームに乗り、海外展開も計画している。

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