今年6月、キユーピーが「わたしのお料理®」ブランドの新商品として「鮭の蒸し焼きソース」3種類を新発売。また、魚の消費拡大を目的に異業種とコラボする「フレッシュストック®魚の消費拡大 共同プロジェクト」を立ち上げ、現在精力的に展開している。
純粋に魚食を盛り上げたいという熱い思いと異業種だからこその気付きもあり、今後この活動が大きな輪になって魚食全体を盛り上げるきっかけになることが期待される。
昨秋、ウィズコロナにおける新たな食のニーズに対応するために立ち上げたフレッシュストック®事業。魚の消費拡大共同プロジェクトを始動したことについて長南収社長は「日本の魚の消費量は1984年をピークに減少傾向が続いている。
その背景の一つに魚の献立に課題があると気付き、当社が主体となって異業種とコラボし、魚がより食卓に上る機会を増やす取り組みを推進する共同プロジェクトを始動することにした。幅広い年齢層に人気のサケを入り口に魚種も拡大しながら魚の消費拡大に向けた取り組みにしたい」とオンライン会見で述べている。
「わたしのお料理®」ブランド「鮭の蒸し焼きソース」は、トマトのソース、バジルソース、ガーリックソースの3種類。フライパンでサケを焼いて同商品と野菜を一緒に入れて数分蒸し焼きにするという簡単調理で料理が苦手な人や若い人でも手軽にできる。
キユーピーによると売り上げ計画の2倍のペースで伸長中と大躍進のよう。「9月に入りサケの旬の季節になったので、さらに出荷が伸びると予測している。店頭でメニュー提案を行うことでさらに需要拡大ができると思う」としている。さらに来年に向け、同プロジェクトの発展型プランも検討中とのこと。
鮮魚専門店の「魚耕」では11店舗で、旬の秋サケが店頭に並ぶのに合わせ、キユーピーの新商品も販売を開始。お手製のPOPや料理例のほか、デジタルサイネージなどの活用により若い人にも関心を集めている。
大声で客を店内に呼び込みながら、しっかりキユーピーの新商品も宣伝する鈴木淳史荻窪本店店長は、「私自身料理が苦手だが、これならフライパン一つで簡単に作れる。わが家で3種類のソースをそれぞれ試しに作ったが、中2と高2の娘たちにもおいしいと評価が高かった」と感想。
「商品名にとらわれることなく、ほかの魚種でも使える」として取材に訪れた日にはホタテ売場でも商品提案をしていた。
キユーピーでは、「魚耕との取り組みができるということは、私たちの取り組みがプロに共感いただけたということ。今後も私たちの提案を魚のプロ目線でアドバイスいただきたい。魚耕は魚のプロとしてお客さまに魚の魅力を直接お伝えする機会が多いと思うので、おいしい食べ方の一つとして私たちの商品が少しでもお役に立てればうれしい」と話している。