Vol.126  定番化する手巻き寿司

手間がかからない割にごちそう感が出せるのが手巻き寿司の利点

 手巻き寿司関連商材の動きがよい。こどもの日や母の日などのイベント食としてだけでなく、週末の食卓を彩るプチごちそうとして売場で定番化している。酢飯と具材を用意するだけの手軽さにもかかわらず、食卓は華やぎ、大人から子供まで楽しめる。「土曜日は手巻きの日」をうたって長く販促活動を展開してきた、㈱Mizkan(ミツカン、愛知・半田市、吉永智征代表取締役社長兼CEO)の担当者に手巻き寿司の近況で話を聞いた。

ミツカン「すし酢」前年比増

色とりどりの具材が、食卓を華やかにしてくれる

 主力の酢製品などの販売数量を伸ばそうと、人気タレントのとんねるずやナインティナインを起用したテレビCMで「土曜日は手巻きの日」を前面に押し出してPRしてきたミツカン。現在は主に公式ページのスペシャルサイト「すしラボ」を定期的に更新し、手巻き寿司を筆頭にした家庭の寿司の楽しみ方を紹介している。

 「手巻きの酢飯に使われる『すし酢(昆布だし入り)』の2020年度の売上高は前年を上回った」と話してくれたのはミツカンMD本部商品企画部商品企画1課の牟田朋樹氏。

 CM効果などで日常の食卓に浸透してきていたものの、これまでの手巻き寿司関連商材の販売実績は人が多く集まる盆や年末年始にピークがあった。それが新型コロナウイルスで人が多く集まる機会を減らす規制が行われてニーズが減少。にもかかわらず、売り上げ全体として伸びたのは、外出自粛を背景に「週末の家族との夕ご飯に採用されることが増えたためでは」と、活性化した内食需要が定番化を促したためと推測している。

 酢飯といくつかの具材さえ用意しておけば、最後の手巻きする工程は食べる際にやってくれるので、準備に手間がかからない。具材はいくらでも豪勢にできるし、少ない予算でもそれなりのものに仕上がる。出来上がりを見るだけで楽しく、年端もいかない子供でも容易に作れる。お祝いの料理としても相性がよく、具材の組み合わせを工夫すれば飽きもきにくい。新型コロナ時代に、支持を集めて定着に至る理由は数多くあった。

「板前ベイビー」動画配信中

ミツカン公式の販促動画「板前ベイビー 手巻き寿司編」のワンシーン

 ミツカンでは今春から「みんなのキッチンプロジェクト」を立ち上げ、ミツカン製品を使って子供でも作れる料理動画を配信してきたが、4月配信の「板前ベイビー」では、手巻き寿司を含むさまざまな家庭の寿司の提案を行った。動画は、関東・東海・中四国・九州に展開する小売店の店頭などに展開されているデジタルサイネージ(電子看板)やショッピングカートのタッチパネル画面で流れ、消費意欲の喚起にひと役買った。スマートフォンの家計簿アプリと連携した動画配信も行った。

 手巻き寿司をより楽しむコツを「海鮮系なら人気のマグロやサーモンだけでなく、アボカド、納豆、チーズなどのアレンジしやすい具材と一緒に楽しむこと。子供が小さい場合は卵やカニカマなども外せない」と助言してくれた牟田氏。また、「板前ベイビー」の動画配信時に行ったフォトコンテストの応募写真から「イクラやトビッコ(トビウオ卵)などの赤色系の丸い球状の具材の人気が高い」傾向も読み取れたという。店頭で品揃えする際の参考にしたい。

七五三に「のっけずし」

七五三に「のっけずし」を紹介する予定

 「みんなのキッチンプロジェクト」の続編には、11月の七五三に手巻き寿司を中心とした家庭の寿司の新たな動画配信の企画を温めている。その中では、寿司をうまく巻けない3歳の子供でも作った感が出せる「のっけずし」(ノリの上にご飯と具を乗せてつまむだけ)も新たに紹介する予定だ。

 ミツカンでは、今後も知恵を絞った販促活動を広く展開して家庭の寿司の消費を刺激し、関連商材の拡販を図っていく。

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