【ととけん】2024年3月問題
Q1. 春でも雪をいただく、3千㍍級の山々が見おろす富山湾の海面で青白く光る幻想的な光景がこの季節の風物詩として知られます。富山湾では定置網漁で漁獲されるこの魚介を選びなさい。[2023年(第14回)3級(初級)から]
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【解答】④ホタルイカ
ホタルイカ
【解説】富山湾で春に定置網漁で漁獲される魚介といえば、青白く光る美しさもさることながらその味わいも絶品のホタルイカ。菜の花やうどなど春野菜といっしょに盛りつけて酢みそをそえると季節感が増す。沖漬けや昆布締め、くん製はおつまみやごはんのお供にぴったり。熱々の天ぷらにすると口のなかにミソの甘さとほろ苦さがふわりとあふれる。ほかのイカとちがい、内臓ごと食べられるため、ビタミンやミネラル、タウリンなどの豊富な栄養素を摂取できる。盛漁期は4月半ばから5月。この時期は観光客も船に乗り、漁の様子を間近で見ることができる。新鮮なホタルイカがピチピチと跳びはねる様子は、春の生命力にあふれている。
Q2. らっきょうはお好きですか? 実は海中世界にも同好の士がいます。らっきょうをくくりつけたテンヤ*で釣れる対象は、産卵期のメスの胴体に米粒をつめこんだように卵がいっぱいになります。この魚介を選びなさい。*錘と引っかけ鉤が組み合わさった仕かけ[2023年(第14回)2級(中級)から]
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【解答】①イイダコ
【解説】イイダコは冬期から春にかけての産卵期、メスの頭(実は胴体)が卵でいっぱいになり、割ってみるとそれがまるで米粒を詰めこんだように見えるところから「飯蛸」と称されるが、この小ぶりのタコはなんとらっきょうで釣れるのである。産卵期前の9月から12月にかけて、イイダコは水深10㍍程度の浅場にやってくる。そんなイイダコの目の前に、真珠色のらっきょうをくくりつけたテンヤを落とし、底から浮かしたり、引きずったりする。しばらくそうやって待っていると、竿先にじわっと重さを感じる。その瞬間、すかさず竿を軽くあおって合わせ、あとは一気に巻き上げる。実は、イイダコはらっきょうを食べるわけではない。彼らの捕食対象である貝に、らっきょうの色やシルエットが似ているからなのだ。
Q3. その美味しさを独特に表した地方名の魚たちがいます。地方名と標準和名の組み合わせのうち誤りを選びなさい。[2023年(第14回)1級(上級)から]
①北海道のナベコワシ=トゲカジカ
②岡山のママカリ=サッパ
③広島のモミダネウシナイ=アイナメ
④大分臼杵のカマガリ=フグ
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【解答】④大分臼杵のカマガリ=フグ
臼杵の特産魚クログチ 提供:海洋政策研究所
【解説】カマガリはクセのない白身魚で、どんな料理にもあうというニベ科の仲間、クログチの大分県臼杵市の地方名。カマ(釜)ごとごはんを借りてきて食べなくてはならないほどのおいしい魚ということから。昔は東シナ海でもよく漁獲されていたが、今はほとんど見られないため東シナ海ではいわば「幻の魚」と言われている。カマガリはその外見に似つかわしくない美しい白身の知る人ぞ知る名魚であり、臼杵市では古くから地域で食べられてきた。この魚を対象とした漁も営まれており、「ドウモン縄」と呼ばれる底はえ縄漁業の一種で漁獲されている。大分県内でも臼杵市以外ではあまり見られないことから、臼杵市の特産魚である。
北海道で①ナベコワシ(鍋こわし)と呼ばれるのはトゲカジカという魚。鍋にするとおいしすぎて取り合いになり、箸の勢いで鍋がこわれてしまう、というのが由来だとか。③アイナメを広島県で「モミダネウシナイ(籾種失)」と呼んでいるのは、うますぎて来年の田植え用の種まで食べてしまうということ。
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