【解答】②カキ
【解説】冬になると、店頭にならぶむき身のマガキには｢加熱用｣や｢生食用｣といったラベルが
貼られている。｢加熱用｣は水揚げしてすぐに出荷したもので、｢生食用｣は出荷する前に殺菌
した海水にカキを一定時間漬け、体内から細菌を排出させるなどの方法で食中毒のリスクを
抑えたものだ。このように管理されていても食中毒の原因を完全に取りのぞけるわけではな
いので、体調があまりよくない時などは火を通して食べた方が安心だ。
昔の日本ではカキを生で食べることがほとんどなかったようで、明治時代にフランス料理が
紹介されてから広まった。
海外から国内に持ち込まれた生食文化はこのほかにサーモンや生野菜サラダがある。チリな
どから輸入される①ウニや、アフリカのモロッコやモーリタニアなどの③タコの産地ではこれらを口にする食文化がない。オランダでは酢漬けの④ニシンを生食する。

【解答】③かぼすフグ
【解説】大分県のかぼす養殖魚に、新たにフグが仲間入りした。これまでブリ、ヒラメ、ヒラマサの「かぼす３兄弟」と呼ばれていたが、「かぼす４兄弟」となった。かぼすフグは、県水産養殖協議会トラフグ養殖部会と県が２０１５年に開発に着手した。佐伯市蒲江地区で、他県産との差別化を図り販路を拡大するため、ブリやヒラメで実績があるかぼすの果皮を餌に混ぜて育成する手法で開発に取り組んできた。１６年から現地養殖場で試験を始め、２０年には白子からも香り成分の「リモネン」の検出に成功した。また、１８年には「かぼすフグ」として商標登録し、昨年１１月に初出荷を果たした。かぼすの皮を練り込んだ餌で育つフグは、柑橘類をしぼらなくても、爽やかな香りが楽しめると評判。

【解答】④たこ足 ころ・さえずり
【解説】寒風が吹くと恋しくなるのが熱々のおでん。関西では“関東煮”の呼び方がなじみ深いが、おでんダネや味付けは関東のそれとはちょっと違う。なぜ関東煮と呼ぶのかについては諸説ある。１つは文字通り、関東地方から伝わったという説。おでんの始まりは、煮たり焼いたりした具にみそを塗る「みそ田楽」。今のような醤油で煮込むおでんになったのは、野田や銚子など関東近郊で醤油づくりが盛んになった江戸末期からという。屋台で手軽に食べられる軽食としてまず関東で広まり、関西にも伝わった。その時に、みそ田楽と区別するために関東煮と名付けたという説。同じ関東由来だが、１９２３年に起きた関東大震災で関東の料理人が関西に避難したり、逆に関西の料理人が復興需要を当て込んで関東に進出したりした。東西料理人が行き来したおかげで割り下を使う関東風のすき焼きなどもこの時期に関西に伝わったとされる。関東煮もそのひとつだったという説。最後が江戸時代に堺を訪れた中国人が食べていた煮物を起源とする説。広東料理をもじって「広東煮」と呼ばれ、それが関東煮へと変わったとされる。これだけ諸説あるのは、関東煮が広く親しまれている裏返しともいえる。由来が何であれ、関西に根差した食文化として独自の発展を遂げた点は確かだ。
関東のおでんとの違いは、まず味付け。関東が濃い口醤油によるやや塩辛い味付けなのに対し、関東煮は薄口醤油がベースで少し甘め。大阪や京都の料理人が上方料理の技法を持ち込み、関西人が好む味付けにしたとされる。鯨食が盛んだった土地柄を反映し、クジラの舌「さえずり」や皮の「コロ」をおでんダネに使うのも関東煮ならでは。いい味が出るとされるクジラと練り物を組み合わせ、独特の複雑な味わいのダシを生み出した。一般におでんはダシを沸騰させないが、うまみのしみ出たダシを次の日も使う関東煮は泡立つほどぐつぐつ煮る。
牛すじやタコも関東煮の主役。ダシにさっとくぐらせて食べるワカメや春菊、近年は下ごしらえしたトマトなどの変わり種も鍋に入る。逆に関東では人気のあるちくわぶ、はんぺんはあまり見かけない。
①さんま団子 結び昆布は仙台おでん、②ばい貝 かに面は金沢おでん、③黒はんぺん なると巻きは静岡おでんの名物ダネ。