【ととけん】2023年9月問題
Q1. 主に干物として活用されます。徳島県では姿ずし「ぼうぜ寿司」が祭りのごちそうとして親しまれています。この魚の正式名を選びなさい。[2022年(第13回)3級(初級)から]
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【解答】①イボダイ
【解説】干物の定番魚、イボダイは白身で脂のりがほどよく骨がやわらかめなので全国的にあつかわれている。標準和名の由来は、エラの後ろにある黒い斑紋が、お灸の跡のイボのように見えることからといわれる。この斑紋は鮮度を見分けるポイントにもなり、濃くくっきりしているほど、新鮮の証。徳島に秋祭りの時期にやってくるため、まつりの魚として親しまれている。
Q2. 温暖な海域を好み、春から夏に北上し、秋から冬に南下します。熱を通すと淡泊(たんぱく)な白身が旨みをグンと増すため、一に塩焼き、二にムニエル、素朴(そぼく)な煮付けも美味に。夏から秋にかけて旬を迎えるこの魚を選びなさい。[2021年(第12回)2級(中級)から]
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【解答】①タチウオ
【解説】秋の魚の代表格は、ともに近年不漁が伝えられるサンマにサケと思いがちだが、実はタチウオもうまい。小さいものはスーパーでおろして売っているので、下ごしらえの手間が省け家庭でも使いやすい。食べごろを気にする必要がないほど一年中出回っているが、産卵前の夏から秋にはことのほか、脂がのってうまくなるタチウオ。熱を通すと、淡泊な白身に詰まったうまみがさらに増す。新鮮なものは刺身や昆布締めにしても愉(たの)しめる。大きいものだと1㌔以上、長さも1㍍以上だが、一般的に大きくて身が厚いものの方が、脂がよくのっておいしい。体表が銀色に輝き、身が硬いものを選びたい。ただ、銀色の皮はとてもはげやすく、はげているからといって必ずしも鮮度が悪いわけではないのでご安心を。②ハガツオと④マカジキは赤身の魚だ。
Q3. 兵庫県や鳥取県では、地元の特産魚介から出る廃棄物を保湿剤や肥料に有効活用する取り組みが始まっています。9月に漁解禁になる、この魚介を選びなさい。[2021年(第12回)1級(上級)から]
①ケガニ
②コウイカ
③ソデイカ
④ベニズワイガニ
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【解答】④ベニズワイガニ
【解説】カニの水揚量が日本有数の「蟹取県」こと鳥取県。缶詰などを製造する際、カニ殻が大量に出る。鳥取大学ではこのカニ殻を再利用する研究が進む。カニ殻の主成分であるキチンは以前から傷を治す効果は認められていたが、ほとんどの溶媒に溶けず加工が困難だった。そこでキチンを特殊な技術で粉砕することで、髪(かみ)の毛の1万分の1ほどの極細(ごくぼそ)繊維「キチンナノファイバー」を取り出すことに成功。超極細にすることで加工しやすくなったという。キチンナノファイバーには保湿効果、育毛・発毛効果、傷の治癒効果があることも研究で実証。現在ではベンチャー企業を立ち上げ、さらなる効果の研究や、保湿クリーム、頭皮ローション、ペット向けの保湿ジェルなどを販売している。
鳥取県のお隣、兵庫県も有数のカニ水揚地。近畿地方で唯一のベニズワイガニの水揚港、香住港がある香美町では、地域資源であるカニ殻が入った肥料で作るコシヒカリ「かにのほほえみ」を商標登録している。かにのほほえみは同町香住区の6戸8人で栽培しており、19年11月に商標登録した。肥料に細かく砕いたカニ殻を使っており、キチン酸やタンパク質、炭酸カルシウムなどが含まれている。このカニ殻は肥料としてだけでなく、病害発病抑制や土壌改良、連作障害防止、植物成長促進など、さまざまな効果が報告されている。町のふるさと納税返礼品に採用されるほか、JAが運営するオンラインショップ「地米屋」で販売している。
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