Vol.79  見ているだけで楽しい1分動画レシピ

NSCが今春、実際に使ったノルウェー産サバを使った1分動画レシピの一部

NSCが今春、実際に使ったノルウェー産サバを使った1分動画レシピの一部

 料理に関心がある人なら、料理教室に行ったり、レシピ本を見たり、誰かに習ったりと魚料理をする機会もあるだろう。しかし、料理に関心がない人が果たして魚を食べることにまで関心がいくのだろうか? そんな心配を水産業界の人が抱く必要はない。少なくとも食に関心がある若い層が「見ているだけでも楽しい」と虜(とりこ)になっているのが、話題の1分動画レシピだ。

若い人をに話題の1分動画レシピ

「まだ広がる可能性を秘めている」と吉岡社長

「まだ広がる可能性を秘めている」と吉岡社長

 米国のロサンゼルスが本拠地のテイストメイド。フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどといったSNSのデジタルプラットフォーム向けに、食に特化した番組やレシピ動画を配信するというサービスで、いまや日本、ブラジル、英国と拠点は世界中に拡大しつつあり、世界のフォロワー数は3000万人を超え、月間再生回数は約25億回。

 日本にテイストメイドジャパン(吉岡研一社長)ができたのは昨年1月。現在の国内フォロワー数は10代と若い層の利用が多いツイッターを中心に約400万人で、月間再生回数は約1億回といわれ、毎月20万人のペースでフォロワーが増えているという。

 事例としては、大手量販店が売場で流した1分動画レシピにより、実際にテレビコマーシャルを打った時と同じぐらいの実売効果が出るなど、実績も出始めている。「今は大手家電メーカーや食品メーカーなどが大口のクライアントだが、まだまだいろいろな業態で広がる可能性はある。よい素材をきちんと伝え、同社のブランド力を高めていきたい」と吉岡社長は話す。

レシピ開発から動画まで担当している堀川さん

レシピ開発から動画まで担当している堀川さん

 1分動画レシピを考案したり、実際に動画の中で作業をしているのが堀川藍さん(23)。もともと趣味であるお菓子作りをインスタグラムに挙げていたところ、クオリティーの高さから吉岡社長の目に留まった。「昨冬、大手家電メーカーとのコラボで代官山に期間限定の店舗を開いたところ、毎日2時間待ちの大行列だった」と、自身が開発したレシピへの手応えも感じている。「魚料理も何度かやっているが、見ている人が作りやすいように工夫している」と、今後も斬新で分かりやすい魚料理レシピが期待される。

サバとサーモンで活用 NSC

 今春、ノルウェー水産物審議会(NSC)は、実際にサバとサーモンを使って1分動画レシピで、テイストメイドジャパンを活用した。NSCでは「日本人のソウルフードであるサバの味噌煮は塩サバを使って簡単においしくできるということをPOPなどを使って売場でも訴求し、相乗効果で売れるといううれしい結果も得られた」と1分動画レシピを評価している。時代にマッチした魚食普及の糸口になるかもしれない。 

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