Vol.69  時代は“さばける男子”

「さばける男子」が脚光を浴びる時代がきた

「さばける男子」が脚光を浴びる時代がきた

 モテる男は何かが違う。容姿や人間性とは別に男を上げるポイントは、ひと昔前の「ギターが弾ける」「サッカーが上手」から、「料理がうまい」も含みつつある。中でも魚を捌ける男性は、一気に好感度を上げるそうだ。下心の有無はさておき、魚を捌ける男性の増加は、水産業界にとって喜ばしいこと。この好機を盛り上げるため“さばける男子”の実態を取材した。

モテる男の最新アイテム

カッコいい男性に「魚を捌ける人」が挙がった(日本さばけるプロジェクトのトークイベントから)

カッコいい男性に「魚を捌ける人」が挙がった(日本さばけるプロジェクトのトークイベントから)

 魚捌きを通じ、魚食や海への関心を高める「日本さばけるプロジェクト」のトークイベントが、8月31日に服部栄養専門学校で開かれた。登壇した4人の女性は、男性の魚を捌く姿が「いつもより魅力的に見える」と口を揃えた。

 女優のいとうまい子さんは、普段は湯も沸かさない夫が釣った魚を料理したエピソードを語り、「惚(ほ)れちゃいますよね」と笑顔を見せる。大きな魚は力も必要で、手際よく処理する姿が「すてきに見える」そうだ。

 気象予報士の駒形陽子さんは、魚の旬を知ったうえで「今、この魚を食べてもらいたい」と料理されると「キュンとくる」。海を楽しむ釣りガールの高橋佐知さんは「『オレやるよ』って調理してくれると、尊敬しちゃう」など、好印象のポイントだと話す。同じく釣りガールの本間美咲さんは、「結婚の条件は、高年収より魚が捌ける人がいい」と教えてくれた。

男子、厨房に入ってもいいみたいだよ

「さばけるパパ」に子供もにっこり

「さばけるパパ」に子供もにっこり

 鮮魚店や水産加工が生業でない限り、ある年齢以上の男性は「魚を捌ける」と口外するのをためらっていたはずだ。「男子厨(ちゅう)房に入らず」がまかり通っていた時代と、その息子世代にも多い。料理漫画・クッキングパパでプロ級の料理の腕をもつ主人公も、連載開始から長い間、社内でその実力を隠していた。

 この壁を取り払った一つが、テレビ番組「SMAP×SMAP」の看板コーナー「ビストロSMAP」だったのでは。男性が公に料理をしてもよい素地が広まり、うまい具合に「料理ができる男性がカッコいい」の認識が上乗せされた。

食べる「手段」から楽しむ「目的」へ

「さかなを捌きまくる会」で実演してみせるながさき氏(左)

「さかなを捌きまくる会」で実演してみせるながさき氏(左)

 魚好きがつながるコミュニティー「さかなの会」を主宰するながさき一生氏は、食べるための手段だった魚捌きが、現在は多様化していると話す。

 同会の企画「さかなを捌きまくる会」に参加した望月朋代さんは、男性の魚を捌く姿や手際のよさが「カッコいいと思う」以上に、「一緒に魚を料理する時間が楽しい」と話す。休みの日は肉料理でなく魚、しかも丸の姿からの調理を。普段と違う特別な感じが、高ポイントという。

 ながさき氏は「捌いた魚が欲しければ、どこででも手に入る。今は楽しむという目的のために、魚を捌くことが多いのでは」とし、変化の背景に「SNSの存在が大きい」と分析する。おいしい料理を食べた、おいしい料理を作ったという話題で満載のSNSの中でも、「魚を捌いて料理した」はまだまだ少数派だ。

 捌きたての魚が食べられて「おいしい」、調理自体が「楽しい」、SNSへのアップが「ちょっとした自慢になる」。魚を捌ける男性がモテる条件は整った。捌けることを隠している男性は、今こそ公言のチャンスだろう。「便利屋さんで終わってしまう」の考えは古い。きっと誰かがそばで楽しんでくれるし、SNSにもアップされて、称賛を浴びるかもしれない。

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