2026年4月13日(月)

<魚屋新時代>魚河岸中與商店武蔵小山店・後編 丸魚との距離を縮める

2025年8月25日

吉田課長
吉田課長
 百貨店を中心とした鮮魚専門店の経営や卸売業を営む中島水産(株)が、新業態店舗で展開している魚河岸中與商店。このうち、2023年に東京・品川区で開業した武蔵小山店は、同社グループで初の路面店となった。都心にあって魚屋感が満載の同店について、小売営業本部の吉田学課長に聞いた。

魚を売るポイントは?

対話で考える献立 声をかけてお得に

 魚食文化の衰退につながる「魚離れ」を食い止め、さらには反転させようと、魚食普及の最前線である鮮魚小売の現場は日々、あらがい続けている。その激戦地にあえて身を投じた、将来の魚食を担うことを期待された“新時代”の魚屋を追った。

対面売場では販売員とお客さんが頻繁に会話し、メニュー提案する
対面売場では販売員とお客さんが頻繁に会話し、メニュー提案する
 「売り上げ構成比のトップ」という丸魚だが、皆がそのまま持ち帰るわけではない。8割程度のお客さんが、三枚おろしなどの一次処理を頼むという。取材をしたのは午後1時過ぎだったが、丸魚を挟んで店舗スタッフとお客さんの会話が多いことに気付いた。

 どんなものが食べたいか、人数は、今晩の食卓に使うのかなどのやりとりから、メニューを一緒に考える。あるいは「どう食べたらおいしいか」の質問に答える。大きい魚は半身売りも可能。声を掛けた方がお得だと、常連さんは心得ているようだ。聞けば同社の販売指導員が、対面販売の店舗を回り、店員を育成しているという。

 丸魚は四季折々、産地により獲れる魚種も味も異なる。見慣れない魚も多く並ぶが、興味を示した人には「白身でクセのない魚。こうして食べたら」と提案も、積極的に行う。

魚食を広げる工夫は?

同じ魚を姿を変えて多様な食べ方で提案

武蔵小山店の「伸びしろ」ととらえる持ち帰り寿司
武蔵小山店の「伸びしろ」ととらえる持ち帰り寿司
 関東・関西地区を中心に、小売店舗65店を展開する中島水産および魚河岸中與商店では、地域に特化した「〇〇県祭」をはじめ、さまざまなイベントを展開している。魚河岸中與商店武蔵小山店ではまず、入り口の対面販売コーナーで魚そのものの姿を拝見できる。

 店の奥へ進むと、同じ魚がサク取りや切身で並び、パックの刺身や寿司、惣菜なども含め多様な食べ方を提案する。その土地ならではの食べ方でも味わってもらおうと、調味料や地元商品を交えることもあるそうだ。

 そのうえで毎月1回くらいのペースで、マグロの解体ショーとサク取り販売も実施。お客さんと魚の距離を近づけ、飽きさせない工夫を凝らしている。

 持ち帰り寿司も豊富だが、全アイテムの中の比率は、百貨店の店舗よりも少ない。吉田課長は「ここが伸びしろ」と勘案する。路面店ならではの手頃な価格帯で、百貨店同様に豊富な種類のコーナー作りを展望している。

=見どころプラスワン=

 取材日には「オジサン」「ハマフエフキ」などの魚も並んでいた。おいしくても知名度は低い。だが、お客さんが交流サイト(SNS)で発信、広めてくれているという。もちろん、武蔵小山店で並ぶ魚への高い信頼があるからこそ、手に取りやすいはずだ。

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