2026年2月27日(金)

<魚屋新時代>北海道すなお水産 魚に覚醒した店主が開業 

2025年3月31日

 魚食文化の衰退につながる「魚離れ」を食い止め、さらには反転させようと、魚食普及の最前線である鮮魚小売の現場は日々、あらがい続けている。その激戦地にあえて身を投じた、将来の魚食を担うことを期待された“新時代”の魚屋を追った。



 東京ドームまで歩いて十数分。東京・本郷の大通りから1本入った路地裏で、2016年に開業した。店名の通り北海道の魚介類に強く、そのうえで全国の漁港にも広く深いネットワークをもつ。仕入れた魚が投稿されるフェイスブックとインスタグラムを読むだけで楽しい、荒木是郎店長を訪ねた。

店舗のコンセプトは?

北海道から全国へさらに広く、深く

 札幌市出身の荒木店長だが、学生時代を過ごした函館市で「魚に覚醒した」という。以後、大手水産商社を経て外資系企業で資金を蓄えたあとに35歳で起業した。

 「本当にここに魚屋があるの?」という立地ではあるが、北海道の魚を売る気は満々だった。だが地元の人たちが日常で求める魚とは、やや毛色が異なる。築地市場(現・豊洲市場)通いが始まった。

 起業に際し「北海道を5周回って仕入れ先を獲得した」というだけあり、熱量が高い。時間をつくっては産地へ遠征し、前浜に揚がる魚と携わる人との関係性を深めていった。

お造りにしてエッジが立つ、神経〆カツオの鮮度感が抜群
お造りにしてエッジが立つ、神経〆カツオの鮮度感が抜群
 今年2月にも紀伊半島をぐるっと回り、知人の紹介と飛び込み交渉で新たな仕入れ先を開拓。その成果として取材日には、神経〆したカツオが入荷した。身割れがなくフレッシュ感があり、刺身にしてエッジが立つ。

他店にない強みは?

店頭ゆでを提供 旬の時期逃さず

生で仕入れたホタルイカは店頭ゆでと生(加熱用)の2通りで販売した
生で仕入れたホタルイカは店頭ゆでと生(加熱用)の2通りで販売した
 兵庫・柴山からのホタルイカは、生で仕入れて店内でゆで上げる。身が破裂しないように塩分濃度と温度、時間に注意してふっくらと、丸みを帯びた張りのある姿に仕立てた。

 「加熱用」と記載したうえで、生のままでも販売する。「パスタの具材がお勧め。あえてワタを破裂させて麺と絡めると、いいソースになる」とアドバイスしていた。

 得意な魚介類はカニ。普通の魚屋では単価が高く品質の判断も難しい、リスクの高い商材だ。そのため、目にする機会は年末などに限られる。だが荒木氏、実は旧職での担当分野だった。そのうえで昨年は、山陰から北陸のズワイガニ産地へと足を運び、直送ルートも構築している。

 浜ゆで(ボイル)も仕入れるが、生カニを店内でゆでられるよう、強力なIHコンロと大鍋も備える。「毛ガニは北海道・利尻島の『利尻モンスター毛蟹』が大人気だが、4月の雄武産も狙い目」と、誇らしげに語った。

=見どころプラスワン=

 塩干物はタラコ、産地の北海道白老町虎杖浜(こじょうはま)をいろいろ回ったが、竹丸渋谷水産を推す。「口の中でさらっと散り、卵の数を数えられるんじゃないか?というくらいの粒粒感がある」。開店当時からの定番で、根強い人気という。

関連キーワード

画像の配置
Example Page
画像の配置
画像の配置
画像の配置
画像の配置
Example Page
画像の配置
画像の配置
画像の配置
画像の配置
画像の配置
画像の配置
画像の配置
画像の配置
公式アカウント
home

トップ

text

紙面見本

person

マイページ

search

検索