2026年7月12日(日)

<水産インフルエンサー名鑑>(6)釣りいろは 地元の魅力、魚通じて発信

 水産業界が抱える課題の一つが魚離れだ。一方、近年では水産の魅力を発信する“水産系インフルエンサー”が活躍の場を広げている。魚食復活の担い手として注目される彼らの素顔や取り組みを紹介していく。

 「釣りいろは」は、遊漁を中心としたコンテンツを提供しており、メイン・サブチャンネル合わせて登録者70万人を超える人気ユーチューバーだ。拠点とするのは佐賀・長崎両県。視聴者や知人からの情報を基に海・川・山などに出向き、釣りを楽しむ様子を発信している。釣りの技術もさることながら、料理の腕前にも定評があり視聴者を魅了している。

地域コンテンツが全国規模に

釣りいろはのとくさん
釣りいろはのとくさん
 釣りいろはのとくさんは、幼少期から父親の影響で釣りや潮干狩りなどに親しみ、獲る・捌く・食べるという経験を自然と積み重ねてきた。その後も学生時代は魚屋でアルバイトし、20代前半までは寿司職人の道を邁(まい)進するなど、魚は常に身近にあった。

 人生の転機となったのは「地元である佐賀・鹿島市をもっと多くの人に知ってほしい」と始めた、ケーブルテレビ番組「シティーコムTV」だった。制作した動画を何気なく投稿したところ、徐々に登録者が増えていき、2000人を超えたタイミングで動画投稿サイト・ユーチューブが主催する配信者同士の交流イベントに招待を受けた。その経験から「本格的に取り組む価値がある」と感じ、現在の動画中心の活動をスタートさせた。

原点ともいえる動画
原点ともいえる動画
 最も大きな反響を呼んだのは、佐賀県・有明海でシーバス釣りの最中に大型エイと遭遇したシーンを収めた一本だ。純粋な驚きと興奮をそのまま切り取った動画として「釣りいろは」の原点ともいえる作品となり、総再生回数は400万回超え。当時はまだ撮影環境が整っておらず、iPhone3Gを駆使して撮影されたものだが、臨場感は衰えず、いまだに視聴回数を伸ばしている。

 この動画はメインチャンネルで配信されたものだが、サブチャンネルの「いろは少年」や料理に特化した「とくの料理人への道」では、より自由度の高い内容を発信。今では地域発のコンテンツが全国に広がる可能性を体現する存在になっている。

 今年1月には「刺身がおいしい“さしみシティ”」を掲げる長崎市の地域活性化策「さしみシティプロジェクト」のメンバーに認定された。これまでの活動が長崎の魅力訴求と消費拡大に貢献する取り組みとして認められたもので、魚食を普及する牽(けん)引役としても注目されている。

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