2026年5月30日(土)

<水産インフルエンサー名鑑>(4)八丈冒険団 「獲って、作って、食べる」を体現

2026年4月27日

 水産業界が抱える課題の一つが魚離れだ。一方、近年では水産の魅力を発信する“水産系インフルエンサー”が活躍の場を広げている。魚食復活の担い手として注目される彼らの素顔や取り組みを紹介していく。

 「獲って、作って、食べる」。鹿児島・奄美大島を拠点とするユーチューバー「八丈冒険団」は、自然と真正面から向き合うリアルな日々の生活を発信している。アウトドアコンテンツの枠を超え、一次産業の本質を体現した独自のスタイルが多くの支持を集め、現在では総チャンネル登録者数30万人を超える勢いをみせている。

好きが高じて漁協組合員に

奄美大島を拠点に活躍している
奄美大島を拠点に活躍している
 かつては八丈島で多忙な日々を送る会社員だった。ただ「もっと自由に、自分らしく生きたい」との思いから、2017年に自身の好きなアウトドアを軸とした活動をスタート。現在では自然の恵みを自らの手で獲得し、調理して味わうという一連の工程を一つの作品として届けている。

 活動の場は海や山など多岐にわたる。キャンプや自然にあるものを活用する野営術、ブッシュクラフトなどを通して、「自然・資源とどう向き合うか」との問いを内包した発信はアウトドアファンだけでなく、それ以外の幅広い層の心もつかんでいる。

 海との関わりは深く、移住後は地元漁師の海とともに生きる姿勢に強く引かれ、「自分もこの海の一部になりたい」と漁業権を取得。実際に船舶免許も所持して奄美の漁業協同組合に所属している。そのため動画でみせる魚の扱いや〆方、下処理などは確かな専門知識や技術に裏打ちされたものとして高く評価される。

ナポレオンフィッシュのカマ焼きを食べる動画
ナポレオンフィッシュのカマ焼きを食べる動画
 これまで水産関連でもいわゆるバズった動画は数多くあり、特に巨大な水産物を食べる企画は人気だ。頭だけで18キロもあるナポレオンフィッシュのカマ焼きや5キロ超えの大型タラバガニの丸焼きを楽しむ動画がいずれも70万回以上の再生回数を記録。圧倒的なスケールや非日常の驚きを伝えながらも正確な処理やおいしい食べ方まで丁寧に教える姿勢も多くの視聴者を引きつける要因となっている。

 このほかにも釣りや趣向を凝らしたキャンプ飯、車中泊仕様の愛車紹介など幅広いコンテンツを手掛けてファンを楽しませている。

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