<魚食にっぽん>肉を焼かない焼肉屋「焼うお いし川」 寿司職人の技術・技能総動員


メニューで「特上カルビ」としているのは、アイルランド産本マグロの大トロの角切りだ。煮切りタレを大トロ全体に塗ったあと、トングで無煙ロースターの上に直立させて外周を炙る。

北海道産のホッキ貝は無煙ロースター上で10秒前後炙るだけ。食べやすいようはさみで切り分けてくれたそれを口に入れると「ハラミ」のような食感がした。同じく10秒ほど炙り出てきた、ニンニクソースで和えタカの爪をまぶしたトラフグは「ミノ」に似ていた。石川氏は「ネギ塩を散らせば『牛タン』のような仕上がりになる」と語る。
ちなみに「築地」「焼肉」でネット検索時の1位を獲得するという野望は、近隣の銀座かいわいの店まで入ってしまうため、常時というわけにはいかなかったが一時期、達成した。
高鮮度をよりすぐり

石川氏といえば、創業間もない頃の「大トロ炙り丼」の大ヒットに始まり、沖縄の魚を使った江戸前寿司の「琉球鮨」、車のガソリン感覚で寿司をチャージする「EDOMAE SS」など、さまざまなコンセプトの商品・業態を開発し、常に注目を浴びてきた。「焼うお いし川」は石川氏のアイデア力が高いレベルで結実した業態の一つといえる。
国内向けには「焼き肉に飽きてきたり、重たくなってきたりした中高年が大人の楽しみを味わえる店」とアピール。魚を見飽きている水産業界関係者は接待に焼き肉屋を使うことが多い中で、「焼うお」は目新しいために使われて喜ばれているという。海外観光客(インバウンド)向けには「複数人のグループではどうしても生食が駄目という人が1人か2人はいるが『焼うお』なら皆で食べられる」と推す。
近く、八重洲にも築地本店と同じく標準コンセプトの店を直営4店舗目としてオープンする予定だ。「焼うお いし川」業態でよりカジュアルなブランドの業態を開発する構想もある。肉を焼かない焼き肉屋という新たな魚の楽しみ方を国内外に定着させていく。
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