2026年2月27日(金)

<魚屋新時代>渡辺鮮魚店・前編 異なるニーズに2店舗で対応

2025年5月26日

 魚食文化の衰退につながる「魚離れ」を食い止め、さらには反転させようと、魚食普及の最前線である鮮魚小売の現場は日々、あらがい続けている。その激戦地にあえて身を投じた、将来の魚食を担うことを期待された“新時代”の魚屋を追った。

 新潟県屈指の繁華街、古町の東側に位置する本町通商店街には、この春に「優良経営食料品小売店等表彰」で最高賞の農林水産大臣賞に輝いた鮮魚店がある。近隣の2店でそれぞれ違った品揃えを展開する一方、一貫して仕入れに妥協せず、地元の信頼を獲得してきたのが(有)渡辺鮮魚店だ。5代目の小嶋修平社長に話を聞いた。

店舗のコンセプトは?

高くても「よいものを」

マイナス60度Cでおいしさを閉じ込めた加工品
マイナス60度Cでおいしさを閉じ込めた加工品
 同社の取引先の多くは地元の料亭や飲食店といった業務筋だ。プロを相手とした商いを営む中で「高くてもよいものを提供すること」を大事にしてきた。

 2023年に移転オープンしたかわいらしいイラストが目を引く広々とした新店舗では、主に卸売と加工を行っている。大きな活魚水槽も備えて小さな市場のように機能し、近隣のプロたちが早朝から続々と買い付けに訪れる。また加工面では、一流の魚と元料理人という経歴をもつ従業員の技を合わせた商品を展開している。

 対して、もう一方の店舗は刺身や切身といった消費者向けの販売が中心となっている。店頭にはスーパーマーケットに並ぶような大衆魚ではなく、プロが扱うような一級品がほとんどを占める。取材当日も一切れ950円の肉厚な本マスや、一切れ500円のギンダラの西京漬などが並んでおり、「高くてもおいしいものはしっかり需要はある」と教えてくれた。

魚食を広げる工夫は?

おいしさ手軽さ加工品で

店頭に並んだ肉厚な本マス
店頭に並んだ肉厚な本マス
 共働きや個食が広がる中、家で丸魚を捌く人は減少している。ただ、“おいしい魚を食べたい”というニーズは必ずあり、それに鮮魚店として応えるため、簡便でおいしく、季節感も感じられる水産加工品を手掛けている。

 新店舗では、マイナス60度Cで凍結可能な急速冷凍機と真空包装設備を有している。それらを活用した冷凍加工品は消費者からも評価が高く、ラインアップも徐々に増えてきた。店側にとっても変わらぬ品質で保存・提供できるため、自慢の魚をロスなく販売できるのは念願だったという。

 小嶋社長は「店に並んだ魚一尾にしても漁業者をはじめ、物流業者、市場関係者など多くの人々が関わっている。いつも感謝の念を抱いているが、消費者に魚を喜んで食べてもらうことで、少しでも恩返しができればと思っている」と笑顔で語った。

=見どころプラスワン=

 今年から精肉の取り扱いを始めた。地元で大手スーパーマーケットの撤退に伴い「おいしい肉を買える場所が欲しい」との声に応えた。魚と同じく品質を追求。今後は安さが売りのスーパーの出店を控えているが、需要が落ちなければ販売継続の可能性もあるようだ。

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