<魚食にっぽん>魚がもっとおいしくなる チタンの可能性、箸に込め vol.179
2025年12月22日
チタン素材の販売・加工を行う(株)東京チタニウム(さいたま市、小澤良太社長)は、クラウドファンディング(CF)でチタン合金箸「銀鱗-ginrin」を販売し、目標金額の2011%を達成した。魚料理をよりおいしく味わうことを目的に開発されている。その秘密に迫った。

魚の小骨もスッと取りやすい 実際に記者が使って驚いたのは、焼き魚の小骨が簡単につかめ、スッと取れたこと。魚の身は崩れていない。先端の太さは1・7ミリだが、単に先の細い箸だからできたというイメージではなく、箸先に力が込められ、毛抜きのように骨だけをつかみ、そのまま引き抜いたような感覚だ。
「銀鱗」は金属3Dプリンター(金属積層造形)を使って作り上げる。チタン粉末を均等に敷き、レーザー照射で金属を溶かして1層ずつ重ね上げて成型する。この金属粉の質感をあえて残すことで、魚の骨が滑らない。麺類もしっかりキャッチする。金属粉といってもわずか0・03ミリの粒子であり、口に入ってもザラザラすることはない。

中空構造で「疲れにくい軽さ」を実現 複雑な形状の医療用機器を造形する3Dプリンターだけに、切削や鋳造では困難だった箸の中心を空洞に仕上げられる。チタンは鉄より4割ほど軽いが、すべて金属ではそれなりの重さになる。中空構造の実現により、長さ230ミリ・太さ9ミリの箸でも20グラムと軽い。
手が触れる部分の絶妙な凹凸も、3Dプリンターの造形によるもの。操作性に優れ、重量以上に疲れにくい設計となっている。箸を持ち続ける料理人や、力の弱い高齢者にも支持されている。

緻密な3D構造物も造形できる同社のチタン加工技術 チタンは鉄に比べ熱伝導率が低い。箸を持った瞬間のヒヤッとする感覚はなく、体温も箸先まで伝わりにくい。アイスクリームのスプーンには熱伝導率の高いアルミが使われているが、その逆と考えると分かりやすい。
箸先を通じて食品に体温が移らないことから、繊細な生魚のうま味を損なうことがない。イオン流出が少なく金属の味も出にくい。口に触れても安全で、素材の味を邪魔しない点も、魚をおいしく食べられる根拠といえる。
木の箸のように水分が染み込まないことから汁物から刺身へ、料理を連続して食べても味や香り、色が移らない。チタンの表面には酸化膜というバリアが自然にできる。食洗器で洗っても問題なし。さびにも強いため、衛生面にも優れる。一生ものの箸として使い続けられる。
試行錯誤の末に完成すると、社員に配布して特徴を生かせる料理のアンケートを行った。その結果、特に魚で独自性を追求できると判断された。
CFの利用は一般消費者の反応を知りたかったため。支持される年齢層や価格帯はどこか。何よりもチタンの特性を広く伝え、「手に取ってもらいたかった」という。

同社の設計・加工技術を集結した 定価1万6000円(税込み)に対する早期購入割引で6月26日から開始、9月22日までの期間中に352人のサポーターから603万円の応援購入を得た。30万円の目標金額は「控えめな設定だった」と言うが、「ここまでいけたらいいな」という額を、はるかにしのぐ支援となった。
成果を受け「銀鱗」は、同社の電子商取引(EC)サイトで販売を開始した。今後は色付けコーティングなど品目を増やして「チタンをさらに広める」という。
取材には同社の女性社員で結成する「チタン広め隊」が対応してくれた。チタンの魅力を広く発信している。取り組みはインスタグラムで。

「銀鱗」は金属3Dプリンター(金属積層造形)を使って作り上げる。チタン粉末を均等に敷き、レーザー照射で金属を溶かして1層ずつ重ね上げて成型する。この金属粉の質感をあえて残すことで、魚の骨が滑らない。麺類もしっかりキャッチする。金属粉といってもわずか0・03ミリの粒子であり、口に入ってもザラザラすることはない。

手が触れる部分の絶妙な凹凸も、3Dプリンターの造形によるもの。操作性に優れ、重量以上に疲れにくい設計となっている。箸を持ち続ける料理人や、力の弱い高齢者にも支持されている。

箸先を通じて食品に体温が移らないことから、繊細な生魚のうま味を損なうことがない。イオン流出が少なく金属の味も出にくい。口に触れても安全で、素材の味を邪魔しない点も、魚をおいしく食べられる根拠といえる。
木の箸のように水分が染み込まないことから汁物から刺身へ、料理を連続して食べても味や香り、色が移らない。チタンの表面には酸化膜というバリアが自然にできる。食洗器で洗っても問題なし。さびにも強いため、衛生面にも優れる。一生ものの箸として使い続けられる。
特徴が生きる料理とは
医療や防衛、海洋開発など販売先が幅広い同社だが、「銀鱗」は一般消費者向け(BtoC)事業としてほぼ初の商品だという。実用的で毎日使う道具の中で、同社の金属加工技術とチタンの特徴を生かせる出口を探し、箸にたどり着いた。試行錯誤の末に完成すると、社員に配布して特徴を生かせる料理のアンケートを行った。その結果、特に魚で独自性を追求できると判断された。
CFの利用は一般消費者の反応を知りたかったため。支持される年齢層や価格帯はどこか。何よりもチタンの特性を広く伝え、「手に取ってもらいたかった」という。

成果を受け「銀鱗」は、同社の電子商取引(EC)サイトで販売を開始した。今後は色付けコーティングなど品目を増やして「チタンをさらに広める」という。
取材には同社の女性社員で結成する「チタン広め隊」が対応してくれた。チタンの魅力を広く発信している。取り組みはインスタグラムで。
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