2026年4月20日(月)

<魚食にっぽん>盛り上がる大相撲! 土俵際に水産食品企業が名を連ねる謎に迫る vol.182

2026年3月30日

 霧島(音羽山部屋)が3度目の優勝を果たした、今年の大相撲春場所。相撲は日本の伝統文化として、最近では若い女性や外国人観光客にもファンが拡大。テレビでも高視聴率を記録し、チケットも争奪戦が起きる人気ぶりだ。土俵際に目を向けると「紀文」や「なとり」「鈴廣」の文字が入った着物を着る「呼び出し」の姿が目に入る。魚食にどう関係しているのか、その歴史や広報効果に迫るべく、(株)紀文食品と(株)なとりのほか、懸賞旗を提供している(株)中外フーズに話を聞いた。

 日本相撲協会にはいくつかのパートナー制が存在し、「YOBIDASHI PARTNERS(ヨビダシ・パートナーズ)」には紀文食品、なとり、(株)スギヨ、鈴廣かまぼこ(株)、はごろもフーズ(株)などが名を連ねる。

 呼び出しの着物に社名が染め抜かれることになった歴史を探ると紀文食品につながる。

東京場所中には日の出オフィス内で展示もある紀文食品
東京場所中には日の出オフィス内で展示もある紀文食品
 呼び出しが身に着けている着物は「土俵着」と呼ばれ、もともと呼び出し役が自前で用意するものだった。戦前は東京・日本橋の呉服商などがいくらか提供したこともあったようだが、戦後に紀文食品の創業者である保芦邦人氏が幕内の呼び出し6人に揃いの土俵着を贈り、その後全員に提供することとなり、現在の形のルーツとなった。

 保芦氏は大の相撲好きで知られる。紀文食品の社史にも、1932年ごろ、築地の米店の奉公時代に町内の相撲好きを集めて同好会を結成するほどの熱の入れようで相撲大会に出場し優勝するなどした記載が残されている。保芦氏も故郷・山形にちなんで「最上川」というしこ名を名乗っていた。

 その保芦氏が48年、戦後間もなくの物資難の時代、呼び出しが土俵着の調達に困っているという話を聞き、着物を提供。その後「大相撲側から感謝の意味を込めて『紀文』の文字を染め抜いていただいた」(同社)ことが始まり。大相撲の東京場所中は同社の日の出オフィス(東京・浜松町)で衣桁(こう)に掛けた土俵着や呼び出しのサインボードを掲示している。

相撲のお供に「なとり」あり

 おつまみのなとりと大相撲との歴史は、戦後に初代社長、名取光男氏が仕入れのために築地市場に通い、同業の誘いで相撲観戦をするようになったことから始まった。こうしたことを機に時津風部屋のひいき筋から当時の横綱・双葉山を紹介され、角界との関係ができ、同部屋の関取・若葉山(若隆景、若元春の祖父)の東京後援会長も引き受けるようになって大相撲との縁が一層深まった。

 戦後は呼び出しの着物も不足するような状況にあった。「何とか作ってくれる人はいないものか」との呼び掛けに、なとりも「相撲界を応援したい」との純粋な思いから着物を提供し、その際、社名ロゴを背中に染め抜いてもらったのが社名入りの着物のルーツとなった。その関係が脈々と続き、今でも45人全員分を提供するなど土俵際から大相撲を支え続けてきた。

 相撲中継を通じて「なとり」の社名は全国に広がり、ブランドへの親近感も着実に育まれてきた。こうした背景もあり、2022年1月には日本相撲協会のオフィシャルトップパートナーとなった。近年では人気商品の「チータラ」などのおつまみのサンプリング配布を国技館などで行い、来場者も楽しませている。今後も「長年にわたり築いた関係を大切にしながら、日本の伝統文化である相撲界の振興と価値向上に一層寄与していきたい」という思いを大切に取り組んでいる。

中外フーズ 「取引先の反応感じる」懸賞旗

中外フーズの懸賞旗
中外フーズの懸賞旗
 2025年から「魚卵」「珍味」と非常に目立つ懸賞旗を出し始めた中外フーズ。中外フーズのある福島の出身力士である荒汐部屋の若元春関と若隆景関のどちらか上位の取組にかけている。懸賞旗を出し始めてから「取引先やネットの反応を感じている」と中村亮介社長は話す。

 同社では2月の魚ジャパンフェスに出店、両親が営む福島県の「ちゃんこ若葉山」監修の「アラスカ産銀だらの若葉山しょうゆちゃんこ鍋」を発売したが、今後は「引き続き若葉山とのコラボや、力士、相撲部屋などとの商品開発もやっていきたい」と意欲的だ。

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