2026年3月2日(月)

<魚食にっぽん>地球を救う?「微細藻類」 万博会場で好評の「スピルリナ味噌汁」 vol.176

2025年9月29日

スピルリナの味噌汁
スピルリナの味噌汁
 世界的な人口増により今ある水産、畜肉、大豆タンパク質だけでは持続的に供給対応できなくなる「タンパク質クライシス」の時代がいずれ到来するといわれている。そこで新たなタンパク質として期待されるのが未知なる可能性を秘めている「微細藻類」だ。地球を救うかもしれないこの「微細藻類」とはいったい何なのか、マルハニチロの取り組みを通して探ってみる。

 「微細藻類」とは30億年前から地球に出現していた生き物の一つで、一般の植物と同じように光合成を行うものもあり、その一種であるスピルリナは数千年も前から食経験のある藻類とされている。

牧野課長役(右)と國永課長代理
牧野課長役(右)と國永課長代理
 マルハニチロでは2023年から、プロテインクライシスが始まるとされる30年を見据えた新規事業を考えるプロジェクトが始動。部署横断の中堅社員が12人ほど集まって新たな事業を生み出す取り組みが始まっており、その取り組みの一つに微細藻類を利用した事業構築がある。昨年から、世界のバイオ産業を推進する(株)ちとせ研究所が中心となって進める、藻類産業の構築を目的とした産業横断型の共創イニシアチブ「MATSURI」に参画し、検討を進めていたところ、大阪・関西万博の日本館の展示の一部を監修する同研究所から声が掛かり、急きょスピルリナを使った無料配布用の製品化を進めることになる。「納入時期はなるべく早くという極限の中で生まれたのが、フリーズドライ味噌汁だった」と話すのは、食材流通ユニット業務用流通事業部事業一課の牧野充宣課長役。「そのちょっと前までは何をどう検討していくのか、いろいろ模索しているところへ飛び込んできた話だったが、結果的には取り組めてよかった」と振り返る。

スピルリナ(ちとせ研究所提供)
スピルリナ(ちとせ研究所提供)
 スピルリナ原料はちとせ研究所がブルネイで生食用に生産、濃縮して冷凍したものを使用。一般的に多くの微細藻類は燃料用に研究開発されているそうだが、食用として古くから利用されてきたスピルリナをマルハニチロは得意とするフリーズドライ製法を活用しておいしい味噌汁を商品化した。

 品質保証部品質保証統括課品質保証チームの國永史生課長代理は「スピルリナは乾燥重量で60~70%と多くのタンパク質を含む藻類で、食の安全性もクリアしていたので、今回取り組むことになった」と話す。「スピルリナのほかにも、海水で育ちDHAやEPAを含む微細藻類もあり、われわれの生業にも深く関わっている。これまではマグロや青魚といったDHAなどを蓄積した魚類を水産物として供給してきたが、原点は海の微細藻類たち。今後も海外の提携先などとの協力などにより知見を広げて、微細藻類の食への利活用をより進めていきたい」と話している。

万博会場で配付

万博会場でのサンプリングの様子
万博会場でのサンプリングの様子
万博会場内のスピルリナ展示物
万博会場内のスピルリナ展示物
 10月13日まで開催中の大阪・関西万博の日本館には一日平均して1万人ほどが来館。日本型の循環を表現しているファームエリアで、藻類が大きく紹介されている。展示室の部屋を抜けると培養されたスピルリナの粉末が入ったボトルが並び、「循環をどうぞ」とお土産に試供品のフリーズドライ味噌汁が予約入場者のみに配布されている。閉幕までさらに熱気高まる万博だが、運よく抽選で「日本館」に入れた人はこのスピルリナの味噌汁を手にできるかもしれない。

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