[1147]「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)年次会合」の結果について

2024年3月5日

大型魚振替の特例措置採択

熱帯マグロ類は新措置合意

 昨年12月4日から12月8日まで、クック諸島(ラロトンガ島)で「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」年次会合が対面とウェブ会議併用で行われました。

 会議には、日本、米国、欧州連合(EU)、中国、韓国、台湾、豪州、ニュージーランド、太平洋島嶼(しょ)国(パプアニューギニア、ミクロネシア連邦など)などの26か国・地域が参加しました。わが国からは、福田工水産庁資源管理部審議官(わが国代表)ほか、水産庁、外務省、経済産業省、国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所および関係業界の関係者が参加しました。

 会議では、太平洋クロマグロの管理方式や熱帯マグロ類(カツオ・メバチ・キハダ)の管理方式について議論が行われ、次のように決定されました。

(1)太平洋クロマグロ

 小型魚から大型魚への振替に当たっての特例措置(小型魚の漁獲上限を1.47倍して大型魚に振替可)の上限拡大が、採択されました。

 (現行) 漁獲上限の10%

 (拡大後)漁獲上限の30%

 ※韓国については、2021年まで大型魚の漁獲枠がなかったことから、特例として、現行25%とされており、これが40%に拡大。

(2)熱帯マグロ(メバチ・キハダ・カツオ)

 24~26年に適用する新たな措置に合意しました。

 (1)カツオ:漁獲量・漁獲努力量が基準値(昨年の年次会合で採択された新たな管理方式に基づく)を上回った場合に、措置を見直す規定を追加。

 (2)メバチ:資源動向を踏まえ、次の措置を改正しました。

 ・まき網における集魚装置(FADs)使用禁止

  期間

  対象水域  現行措置  改正後

  EEZ   3か月  1.5か月

  公 海   5か月  2.5か月

 ・はえ縄のメバチ漁獲上限の改正(単位・トン)

  対象国・地域  現行措置  改正後

   日本     18,265  18,265※1

   中国     8,224  8,224※1

   インドネシア 5,889  5,889※1

   韓国     13,942  13,942※1

   台湾     10,481  10,481※1

   米国     3,554  6,554※2

 ※1:オブザーバーカバー率(現行5%義務)の増加に応じて、漁獲上限を最大10%増やすことが可能。

 ※2:これまで米国海外領土(グアム・北マリアナ・米領サモア)の漁獲として計上されていた3,000トンを移管。

(水産庁国際課)