2022年2月9日
■大型マグロが15%増枠、小型は据え置きに
昨年12月1日(水)から7日(火)まで、「WCPFC=中西部太平洋まぐろ類委員会、年次会合」がウェブ会議で行われました。会議には、日本、米国、EU、中国、韓国、台湾、豪州、ニュージーランド、太平洋島嶼国(パプアニューギニア、ミクロネシア連邦等)等の26か国・地域が参加しました。わが国からは、高瀬美和子水産庁資源管理部審議官(わが国代表)ほか、水産庁、外務省、国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所および関係業界の関係者が参加しました。
会議では、太平洋クロマグロの管理措置や熱帯まぐろの管理措置について議論が行われ、以下について決定されました。
(1)太平洋クロマグロ
10月の「北小委員会」で採択された「大型魚の漁獲枠15%増」などが正式に決定されました。
(ア)漁獲枠
小型魚:現状維持
全体 :4,725トン、うち日本:4,007トン
大型魚:15%増
全体 :6,591トン⇒7,609トン(+1,018トン)、
うち日本:4,882トン⇒5,614トン(+732トン)
(イ)漁獲枠の未利用分の繰越
「漁獲枠の未利用分の繰越率の上限を、漁獲枠の5%から17%へ増加」する現行の特例措置を、今後3年延長。
(ウ)小型魚の大型魚への振替
継続的な措置とするとともに、今後3年間、小型魚枠の10%を上限として、「1.47倍」換算して振り替えることが可能。
(※)わが国の場合、小型魚枠の振替上限は約401トン。これをすべて振り替えた場合の大型魚枠は約589トンになる。
(2)熱帯マグロ(カツオ・メバチ・キハダ)
まき網漁業の操業日数制限や、はえ縄漁業のメバチ漁獲枠など、主要な措置について現行の措置を2年間継続することとなりました。
(ア)まき網漁業
・操業日数制限(日本のEEZ内の上限は1500日、熱帯域の公海における日本の上限は121日)
・熱帯域における集魚装置(FAD<ファド>)を用いた操業の一定期間禁漁
(公海5か月、EEZ内3か月)
・海洋生物の絡まりを防ぐため、2024年から、FADへの網地の使用禁止(※新規措置)
(イ)はえ縄漁業
・メバチの漁獲枠の設定(日本の枠は18,265トン)
(水産庁国際課)