[1094]「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第16年次会合」の結果について

2020年3月2日

 一部修正し2020年措置を採択、繰越率を17%に増加。

 昨年12月5日から12月11日まで、パプアニューギニアのポートモレスビーにおいて「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第16回年次会合」が開催されました。

 会議には、日本、米国、EU、中国、韓国、台湾、豪州、ニュージーランド、太平洋島嶼国(パプアニューギニア、ミクロネシア連邦等)等の26カ国・地域が参加しました。我が国からは、太田水産庁資源管理部審議官(我が国代表)ほか、水産庁、外務省、国際水産資源研究所及び関係業界の関係者が参加しました。主な結果は以下のとおりです。

 1.太平洋クロマグロの資源管理措置について

 2019年9月の「北小委員会(*)」でとりまとめられた勧告案について議論が行われ、一部修正の上、以下を内容とする2020年の措置が採択されました。

 (ア)漁獲上限の未利用分に係る繰越率を、現状の5%から17%へ増加。

 (イ)台湾からの通報により、大型魚の漁獲上限を台湾から我が国へ300トン移譲することが可能。

 *「北小委員会」は、主に北緯20度以北の水域に分布する資源(太平洋クロマグロ、北太平洋ビンナガ、北太平洋メカジキ)の資源管理措置について本委員会に勧告を行うWCPFCの下部組織です。

 2.メバチ・キハダ・カツオの資源管理措置について

 現行の資源管理措置について、技術的事項の議論が行われた結果、現行措置の1年間延長が合意されました。

 ≪参考1≫太平洋クロマグロの現行の資源管理措置

(ア)親魚資源量を令和6年(2024年)までに、少なくとも60%の確率で歴史的中間値まで回復させることを暫定回復目標とする。

(イ)30キロ未満の小型魚の漁獲量を平成14年から平成16年まで(2002?2004年)の平均水準から半減(我が国は8,015トンから4,007トンに削減)。

(ウ)30キロ以上の大型魚の漁獲量を平成14年から平成16年まで(2002?2004年)の平均水準から増加させない(我が国は4,882トン)。

 ≪参考2≫メバチ・キハダ・カツオの現行の資源管理措置

(ア)まき網漁業(2019年・2020年の措置)

 措置 2019年・2020年の措置

 FAD(集魚装置)

 禁漁期間 EEZ内 3か月、公海 5か月

 操業日数制限 公海・EEZ別、国・地域別に上限を設定

 FAD個数制限 1隻あたり常時350個以下

 (イ)はえ縄漁業

 我が国メバチの漁獲枠が18,265トン。

(水産庁国際課)