<クジラ探訪記②>東彼杵町/江戸から続く「鯨の市」

2021年12月13日

東彼杵の情報発信基地、道の駅「彼杵の荘」

 東彼杵町は伝統のクジラ食をお茶と同様に町のシンボルにしたいと力を入れている。10年ほど前からクジラを使った「家庭のクジラ料理」を町民から募集。選ばれた「くじらの春巻き」「ぼうぶら(カボチャ)ずうし(おじや)」「竜田揚げ」のレシピをリーフレットに掲載。町の関連施設に配布し、家庭でのクジラの積極利用を呼び掛けている。また、学校給食センターでも町内小中学校3校の全学年を対象に一学期に1回、クジラの給食約600食を提供し始めた。県でも年2回のクジラ給食を実施しており、日頃からクジラを食べつけている児童生徒が多いからか、大好きなカレーにクジラを入れた「くじらカレー」を望む子供たちの声が大きく、給食センターはメニュー化を急いでいる。次世代へ鯨食継承が進んでいる。

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 長崎県の空の玄関(長崎空港)から北へ10キロほど。東彼杵町は、穏やかな大村湾の東に位置する人口約7600人の静かな町だが、長崎市から京阪・東京に通じる「長崎街道」と県北に[....]