新物空輸筋子、仙台市場に初入荷

2023年6月5日

抽選販売される新物ベニ子(2日午前5時)

 【仙台】全国最大の筋子消費地・仙台市場に2日、北米産の新物ベニ子195キロが初入荷した。上場量は現地の生産(ベニザケ漁獲)回復に伴って昨年(90キロ)の2倍強に。価格は「世界的なインフレ傾向の中ではやむなし」として過去2年と同じく記録的高値に設定された。それでも売場には「新物を心待ちにしていた」という買参人が多数集まり、特有の熱気に包まれた。       

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 入荷したのは先月15日に解禁されたアラスカ州のカッパーリバー(CR)で生産、空輸で持ち込まれたチルド物。メーカーはОBIシーフーズ(95キロ)と三井物産シーフーズ(株)(100キロ)で、全量を仙都魚類(株)が相対販売した。

 担当者によると、現地のベニザケ漁獲は近年低調が続き、その卵を原料とする塩ベニ子の生産量も伸び悩み気味。世界的なイクラ需要の高まりを受け、塩ベニ子から冷凍卵の生産に切り替える動きも加わり、チルド物は何回かの解禁(漁獲)・生産分をまとめて輸入するようになっている。実際に2020年は2・3回目分、21年と22年は2回目分までをまとめて搬入。今年も「18日の2回目分と合わせて持ち込まれた」という。[....]