キングサーモン完全養殖に挑戦/函館市

2021年2月15日

 函館市は新年度、キングサーモン(マスノスケ)の完全養殖技術の確立に向けて、北海道大学大学院水産科学研究院、函館国際水産・海洋都市推進機構と共同研究に着手する。10日発表した2021年度予算案に魚類等養殖推進事業費として5900万円を計上した。国内では山梨県でキングサーモンとニジマスを交配させた「富士の介」を開発しているが、函館市は海面での純粋なキングサーモンの完全養殖を目指す。全国初の取り組みとなる。

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 魚類養殖の候補としてキングサーモンを選定したのは、国内で流通しているキングサーモンの大半が輸入品で流通量も少なく、希少価値が高いことが大きな理由。輸入品のアトラン・トラウト・ギンザケ、国内他産地の養殖サーモンとも差別化でき、ニッチなマーケット(隙間市場)を獲得できると判断した。

 親魚として使用するのは、北大水産科学研究院が七飯淡水実験所で人工ふ化させた[....]