過去10年で最高値、宮城乾ノリ初入札会

2023年12月5日

新ノリを手に取り、出来栄えを確かめる買受人

 宮城県産乾ノリ「みちのく寒流のり」の2023年度初入札会が2日、塩釜市のJFみやぎ塩釜総合支所で行われた。高水温で生産開始が半月ほど遅くなり、初入札は「過去に例がない」という師走にズレ込んだが、懸念された品質への影響は皆無。良品主体にまとまった上場があり、過去10年で最高となる一枚平均17円95銭で取引された。質の高さを考慮しても生産者の多くが「期待以上」と驚く水準で、昨年の全国的な不作による厳しい在庫事情を如実に表す滑り出しとなった。

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 初入札には県中・南部で生産された2502万枚が上場された。記録的な高水温は秋になっても収まらず、採苗が予定より半月近く遅れたため、その後の育苗や刈り取りもいや応なく先送りに。芽伸び自体芳しくなかったが、先月上旬の低気圧を機に栄養塩流入量が増え、そこから目覚ましい改善ぶりをみせた。結果的に上場量は「順調」とされた前年を13%上回り、過去10年で2番目に達した。[....]