宮城養ギン、総生産量1万8000㌧台 

2023年8月7日

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宮城県養殖ギンザケ年別生産実績

 宮城県の養殖ギンザケの2023年の生産が終了した。まれにみる良好な成育を反映し、総生産量は計画から2割近く上振れ。1万8000トン台まで達して過去四半世紀で最多を記録した。浜値も競合商材に連動して変わらず高値安定で推移。平成期以降で最高だった昨年には及ばなかったものの、それに次ぐキロ平均686円を記録した。総生産額120億円を突破する大豊漁となったが、関係者の表情は曇りがち。福島第一原発の廃炉作業をめぐる「処理水の海洋放出」が目前に迫ったためで、来年以降への不安を訴える声が少なくない。

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 JFみやぎがまとめた今年の水揚げ(実施期間3月3日~7月25日)実績は、数量1万8167トンで前年同期比5・3%増、金額124億6200万円で0・2%減、平均単価686円で5・2%(38円)安だった。高鮮度処理した最高級ブランド「みやぎサーモン」は全体の2割弱、3000トンほどが出荷された。

 今年の生産は59経営体がイケス234基に稚魚1353トンを投入して行われた。いずれも前年とほぼ増減なかったが、昨年がかなりの豊漁(高い成長倍率)だったため、平均値からはじき出す想定では「1割(1700トン)減産」が見込まれた。[....]