宮城ギンザケ終盤も順調、増産確実も浜値高騰に明暗も

2018年7月9日

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順調な水揚げが続く宮城ギンザケ。シーズンは残り1か月を切った

 宮城県の今期の養殖ギンザケ水揚げが最終盤を迎えている。順調な成育を反映し、主要な卸売市場には連日200トン近くが大量上場。当初予想を覆す増産が確実な情勢となった。浜値は「異常」とされた昨期に迫る超高値域で推移。加工業者は採算に苦慮、手放しで喜べない状況にある。
 本紙がまとめた県内主要産地魚市場(石巻、女川、南三陸)の6月末現在の総水揚実績は、数量8166トンで前年同期比16・3%増、金額50億1800万円で6・9%増、平均単価キロ614円で8・1%(54円)安となった(金額、平均単価は税込み)。
 今期の予想生産量は前年比300トン減の1万3200トン。昨期が東日本大震災後、いちばんの豊漁(高い成長倍率)だったため、「普通の成育だと若干の減産」という見通しだった。しかし、3月15日の初水揚げ以降、全般に「養魚の餌食いがよく、成育は良好」に推移し先月末現在で約1100トン上回った。残りひと月足らずで、多くが「当初予想を上回るのが確実」との見方に変わった。
 生産者は成育も浜値も良好で「最高のシーズン」と満面の笑み。一方で加工業者には「高値では末端に通らない」との苦しい声が多くあり、逆ざや納入によって相当な痛手を被っているという[....]