[1127]中央北極海公海無規制漁業防止協定 第1回締約国会合の結果について

2023年3月6日

締約国会合の手続規約採択
保存管理措置検討へ

 昨年11月23日から25日まで、韓国において開催された中央北極海公海無規制漁業防止協定の第1回締約国会合についてお知らせいたします。

 今回の会合には、協定加盟国などの日本、米国、中国、韓国、ロシア、カナダ、ノルウェー、アイスランド、デンマーク(フェロー諸島およびグリーンランド)および欧州連合(EU)が出席しました。我が国からは、森下丈二農林水産省顧問(我が国代表)ほか、水産庁及び外務省の関係者が参加しました。

 多くが海氷に覆われている中央北極海公海では、現在、商業漁業は行われていませんが、地球温暖化などの影響による海氷面積の減少に伴い、漁獲が行われる可能性がある水域が拡大しています。このような状況を背景に、中央北極海の公海部分全体の漁獲を規制する国際的枠組みを制定し、無規制な漁業活動を防止することを目的とした中央北極海公海無規制漁業防止協定が2021年6月25日に発効しました。

 今回の会合は、同協定が発効して以降初めての締約国会合となりました。協定の主な内容は以下の通りです。

 今回の会合は、同協定が発効して以降初めての締約国会合となりました。協定の主な内容は以下の通りです。

(1)協定水域における海洋生物資源等に関する知識の増進や漁業が与える影響を決定することなどを目的とした科学的共同調査・モニタリングに関する共同計画の作成、関連データの共有など
(2)保存管理措置に基づいた試験漁業の許可など
(3)地域漁業管理機関などの設置交渉などの検討

 今回の会合の主な結果は以下のとおりです。

(1)締約国会合の手続規則が採択されました
(2)協定発効から2年以内(23年6月まで)に共同科学調査・モニタリング計画を策定する方針が確認されました
(3)協定発効から3年以内(24年6月まで)に策定する必要がある開発(試験)操業に係る保存管理措置について、検討を開始することとなりました
(4)締約国会合について、現行の暫定議長(カナダ)・副議長(韓国)がそれぞれ正式な議長に就任しました。任期は22年11月から4年間です。

 次回の締約国会合は、23年6月に再び韓国で開催予定です。

 水産庁国際課