冷凍刺身・寿司、定着の兆し

2022年8月24日

冷凍販売ケースで陳列している様子(東信水産提供)

 刺身・寿司は水産界で最強のファストフードとして、魚調理離れが進んだ現代でも人気を集めてきた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大に伴う買い物頻度の低下や不漁・買い負けの深刻化による仕入れ値の高騰で、従来の冷蔵(チルド)販売では廃棄ロスのリスクが無視できないレベルになっている。そんな中で、定着の兆しをみせているのが冷凍販売だ。首都圏の鮮魚専門店チェーンの東信水産(株)と、大手コンビニエンスストアチェーンの(株)ローソンの現状を追った。

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 刺身・寿司を冷凍販売する取り組みは今までもあったが、主流の一つになるほどのレベルには届いていなかった。今回、魚食への関心が高い人々が主に使う鮮魚専門店が手掛けた点が従来との違いだ。首都圏を中心に鮮魚専門店18店舗を展開する東信水産は今年5月、自社のプロセス(生鮮加工)センター「東信館」で、アルコール凍結法を用いた急速凍結機を用いて高鮮度の冷凍刺身・寿司を商品化した。[....]