冷クロマグロ値下がり、海外養殖物が豊富に出回る

2023年12月27日

海外養殖物が値頃で並ぶ

 トロ部分が多く、高級寿司店なども扱う冷凍クロマグロがこの年末は値下がりしている。海外産の養殖物が豊富に出回っているためで、量販店には手頃な特売品が並び、人気を集めている。

 12月中旬の東京・豊洲市場マグロ売場では、セリで売られる冷凍の天然クロマグロの中心値がキロ約2800円と、前年同時期より2割近く安かった。主な理由について卸会社の担当者は「(天然物と)競合する地中海産養殖物の国内在庫が過剰にあるため」と説明する。

 この養殖物は、地中海で捕獲された大型魚を、沿岸各国のイケスで餌を与えて太らせたトロ部分の多いマグロ。近年は豊漁による順調な生産が続き、2022年の輸入量は前年比2・8倍の782トンと過去10年間で最多だった。23年も生産は好調だが「日本の冷凍庫がいっぱいで入らない」(輸入商社)ため、輸入が抑えられたほど。[....]