体重5倍、増肉係数半減/サクラマス陸上養殖育種

2024年3月19日

 マルハニチロ中央研究所は、山形県の遊佐試験場でのサクラマスの陸上養殖について2017年から育種を続け平均体重では(当時の)約5倍、最大個体では約3倍に増加し、魚が1キロ太るのに必要な餌の量を示す増肉係数は半減と効果を発揮している。15日に開かれた第6回サーモン・陸上養殖勉強会で圓谷猛リサーチ二課課長役が報告した。

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 圓谷課長役は陸上養殖魚種にサーモンを選んだ理由として、年間3~4サイクルできる点や卵が大きく初期餌料の培養が必要ないことなどを挙げた。

 マルハニチロは16年に「知の集積と活用の場研究開発プラットフォーム」に参画し、17年には農研機構研究開発モデル事業に(株)キッツ、山形県、香川高専とともに「サクラマスの閉鎖循環式陸上養殖システムでの最高級ブランドの創出」で採択され、7月から21年3月末まで実施した。一方、富山・入善町に三菱商事(株)と共同出資で設立したアトランド(株)では、25年からアトランティックサーモンの陸上養殖事業化を目指し準備を進めている。[....]