[1129]中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)年次会合の結果について

2023年3月23日

◆カツオなど管理方式決定、1月からオブザーバー乗船再開

 去る11月28日から12月3日まで、ベトナム(ダナン)で「WCPFC=中西部太平洋まぐろ類委員会、年次会合」が対面とウェブ会議併用で行われました。会議には、日本、米国、欧州連合(EU)、中国、韓国、台湾、豪州、ニュージーランド、太平洋島嶼国(パプアニューギニア、ミクロネシア連邦など)などの26カ国・地域が参加しました。
 我が国からは、高瀬美和子水産庁資源管理部審議官(我が国代表)ほか、水産庁、外務省、国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所および関係業界の関係者が参加しました。会議では、太平洋ビンナガの管理方式やカツオの管理方式について議論が行われ、以下について決定されました。
(1)北太平洋ビンナガ
 資源を中長期的に維持すべき水準や、資源の状況に応じた漁獲のあり方を事前に設定しておく管理方式が以下の内容で採択されました。
●漁獲の強さを管理の指標として設定し、親魚資源量を、漁業がないと仮定した場合の45%に維持することを目指し、漁獲の強さを調整。
●親魚資源量が30%を下回る場合は漁獲の強さを削減。
※参考:今回採択された管理方式は、来年以降、保存管理措置を見直す際の基礎となる。
(2)カツオ
 管理方式が以下の内容で採択されました。
●漁業種類ごとに漁獲努力量(または漁獲量)の基準値を設定(まき網:2012年の努力量等、まき網以外の漁業は、一本釣:01~04年の平均努力量、インドネシア・フィリピン周辺海域:16~18年の平均漁獲量)
●実際の親魚資源量が、漁業がないと仮定した場合の40~57%の間は、基準値の漁獲努力量などで操業可能。
●40%を下回る場合は漁獲努力量などを削減、57%を上回る場合は努力量などを増大することができる。(なお、21年の親魚資源量は54%であり、まき網の努力量はほぼ12年水準であることから従来通りの操業が可能)
※参考:来年、カツオ・メバチ・キハダ(通称熱帯マグロ)の保存管理措置の見直しが予定されており、今回採択された管理方式はその議論の基礎となる。
(3)北太平洋メカジキ
 漁獲努力量(漁船隻数、操業日数など)を基準年(08~10年)より増加させないことを内容とする保存管理措置が採択された。
(4)オブザーバー乗船
 新型コロナウイルスの影響により20年から配乗が免除されていた、熱帯域で操業するまき網漁船への100%オブザーバー乗船が、23年1月1日より再開されることが決定された。
(5)電子漁獲報告
 24年から公海等で操業する漁船の漁獲報告を電子的に行うことが決定。(ただし、24メートル未満船については26年から開始)
(6)WCPFC事務局長・議長
①新たな事務局長にリア・モス=クリスチャン氏(マーシャル)が選出されました。
②新たな議長にジョシー・タマテ氏(ニウエ)が選出されました。

水産庁国際課