宮城養ギン浜値高騰、外国産供給減で仕事買いが拍車

2017年6月28日

記録的高値が続く今期の宮城ギンザケ

 宮城県の養殖ギンザケの浜値が高騰している。チリなど外国産の供給減少、価格上昇を背景に需要が集中。原料不足を反映した仕事買いも加わり、記録的高値が続いている。終盤を迎えても安値に転じる気配はなく、平均は一昨年の約5割高、昨年の約1割高のキロ640円台をキープいている。

 JFみやぎがまとめた産地魚市場および産地共販実績によると、20日現在の平均単価はキロ640円で前年同期比12%(70円)高。一昨年との比較では46%(202円)も上昇した。産地筋の誰もが「記録的」と言い表す高騰ぶりで、過去20年でも最も高い。

 競合するチリ産の供給減少と価格上昇、深刻化する加工原料不足などを背景に、「高値必至」とされてはいたが、国の地理的表示保護制度(GI)に登録されたことなどもあり、引き合いが集中。周囲が「想定以上」と舌を巻くほどの高値域で安定推移。今後も「大崩れはない」との見方が大勢だ。

 ただ、加工業者は「末端に通らない」との苦しい声が多く、逆ざや納入によって痛手を被っている。[....]