クロマグロ回復率即応で枠を増減、WCPFCに新提案

2017年8月3日

 水産庁は1日、今月末から韓国・釜山で開催される中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)北小委員会に対し、太平洋クロマグロの新たな管理案を提出したと発表した。資源の回復状態によって漁獲量の増減を即応する仕組みで、関係国の理解を求めていく。

 今回、日本が提案したのは、現在の規制(小型魚の漁獲半減)に、資源の回復確率の状況に応じ漁獲数量を増減させることが迅速にできる仕組み。具体的には、資源評価の頻度を現在の2年に1度から毎年に増やし、その結果により自動的に漁獲量が決まる「漁獲制御ルール」を導入。よりスピーディーに資源状態を漁獲量による管理に反映できるようにする。

 「緊急ルール」としても機能する仕組みで、増加した小型魚の漁獲分を大型魚に振り替えれば、小型魚の数倍の大型魚が漁獲できる仕組みも盛り込んでいる。

 ただ提案の漁獲制御ルールが合意されても漁獲枠に反映されるのは最速で19年1月以降。水産庁は「日本が漁獲枠を順守する能力があることを示すことが重要」と、管理への協力を呼び掛けている。[....]