<被災地・能登 復興への一歩>①JFいしかわ・かなざわ市場、能登の魚を全力で受入れ

2024年3月11日

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セリ後の選別作業に輪島支所職員らの姿が交じる

能登半島地震発生から2か月余りたった。直後の混乱期を抜け出し一応の落ち着きをみせたことで、最大の被災地、石川・能登地区の漁業や水産加工業では復旧・復興を見据えた模索が始まった。断水の継続や倒壊家屋などのがれきの撤去が進まないうえ、安定した仕事もなく生活再建のめどが立たないなどの問題が山積する中、将来への道筋を何とか付けようと多くの人々が挑戦を続けている。6、7日の両日に現地取材した様子を連載で紹介する。まず能登地区の復旧・復興を長期的に支えることになる、かなざわ総合市場を訪ねた。(八田)

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 JFいしかわが運営する金沢市郊外の日本海に面した産地市場・かなざわ総合市場では今、夜セリや午前中にあるまき網などの入札とは別に、午前8時前後からもう一つのセリが行われている。扱うのは主に能登地区の水産物だ。

 同市場では製氷施設の上水道が使えないなどの影響は出た(現在は復旧済み)ものの、シケ明けの1月5日には地物中心に夜セリについて再開できた。ただし、市街地にある金沢市中央卸売市場でJFいしかわと場内の水産卸が合同で行っていた、県内の朝獲れ魚を中心とした二番セリ(通称「朝セリ」)は、地震直後から休止を余儀なくされた。[....]