近海マグロIQ、実績配分めぐり疑問

2022年9月29日

 水産庁が27日に農林水産省で開いた水産政策審議会資源管理分科会で、近海はえ縄漁業のクロマグロの個別漁獲割当(IQ)の設定をめぐり疑問が噴出した。2021管理年度(1?12月)に全国近海かつお・まぐろ漁業協会(近かつ協)に所属する242隻がクロマグロ大型魚(30キロ以上)管理に自主的IQを実施した一方、非所属の5隻が急激に漁獲量を増やしたためだ。実績主義で配分すれば、当該船は今後、大幅な増枠が見込まれる。委員からは「昨年の結果を実績として反映すべきではない」とする意見が多く、水産庁は難しい判断を迫られそうだ。

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 公的IQが導入された今期を前に、150トン未満のはえ縄漁船が対象になる「かつお・まぐろ漁業」では、21年に配分されたクロマグロ大型魚の漁獲可能量(TAC)を2期に分けて設定。しかし、4?12月分は自主的IQを実施した近かつ協と、これに参加せずに総量管理の範囲内で漁獲した全日本マグロはえ縄振興協会の所属船とで、方針が統一されていなかった。[....]