輸入冷養殖クロマグロ 暮れの供給暗雲 

2021年9月15日

店頭並ぶ輸入冷凍養殖クロマグロ

 最大需要期である年末商戦に向けて、今年は冷凍マグロの供給見通しに暗雲が垂れ込めている。赤身マグロ不足はかねて警告されていたが、高級クロマグロも北米と欧州のマーケット回復で、すでに生鮮の日本向けが減っており、地中海産養殖クロマグロ冷凍フィレーの手当ても今後の影響が心配されている。値上げは必至だが、昨年並みの供給数量を確保できるかは予断を許さない状況だ。

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 長期保管できる冷凍マグロは、本来なら数量と単価が計算しやすく、年末商戦用に予定を組みやすい。クロマグロ冷フィレーの大部分を占める地中海産は、新物が入る11月からと、翌年4月前後に搬入のピークがあるが、新物はタイミング的に年末商戦への仕向けが多い一方、運搬船の都合で遅れるリスクも想定し、春の入荷分をある程度押さえておく必要もある。ただ、今春の入荷分はすでに年末分の在庫も少ない状況という。[....]