水産卸各社の冷凍在庫/「持たざる経営」にシフト

2021年5月28日

 首都圏市場の水産卸各社の抱える冷凍在庫の水準が近年にないほど低下している(表参照)。魚食低迷を背景とした取扱数量減に伴う自然減だけでなく、ここ数年はさまざまな要因で事業環境の変化が早く、相場急落で損失を負うリスクが高まっており、「持たざる経営」に移行する企業が増えている。

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 東京・豊洲市場と神奈川・横浜市場の上場会社における過去10年の期末時点の商品(および製品)の在庫評価額の推移をみると、横浜丸魚?を除き2011年度を下回った。特に、東都水産?と築地魚市場?は、10年前に比べると4分の1前後にとどまっている。[....]