有明海ノリ不作、流通の抜本見直し必要

2023年4月21日

髙岡則夫専務理事

今漁期は有明海における未曽有の不作を背景に、ノリの相場が高騰している。6月から製品を値上げするメーカーも多く、各社の対応も急務だ。今漁期のノリの仕入れ状況や課題について、干ノリの加工品を扱う業者らで構成する全国加工海苔協同組合連合会の髙岡則夫専務理事(写真、東日本加工海苔協同組合理事長、(株)髙岡屋社長)に話を聞いた。

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 --今漁期は有明海の不作でノリ相場が高騰しています。

高岡専務 昨漁期も全国の生産量が最盛期の6割に満たない63億7000万枚にとどまったが、今漁期は49億枚弱に落ち込み、相場はかつてないほど高騰している。不作は、最大の生産地である有明海、中でも佐賀有明と福岡有明に集中している。

 両県を合わせた生産量は、昨漁期の30億2000万枚から今漁期は15億5000万枚とまさに「半作」となってしまった。ほかの産地の生産量の合計は、昨漁期の33億5000万枚に対し今漁期は33億2000万枚と予想されるので、ほぼ昨漁期並み。問題は佐賀と福岡の不作の影響が全国に広がり、相場が高騰してしまったことだ。[....]