宮城でマダコ漁 活況

2023年11月10日

 宮城県の沿岸でマダコ漁が活況を呈している。北・中部のかご漁で好調が続き、主要港への累計水揚げは11月の盛漁期入りを待たず、昨年の年間実績277トンを突破。それでいて魚価は外国産の高値に牽(けん)引されて崩れず、漁師らを「厳しい物価高の中で何よりの励み」と喜ばせている。県の研究機関は「資源量はかなり潤沢。今後の漁獲も期待できる」とみており、最需要期の年末・年始も「宮城産」が数多く供給されることになりそうだ。

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 漁獲好調の要因とみられるのが高海水温。マダコは温かい海を好む生物で本州沿岸に広く分布するが、繁殖は真冬でも一定の水温がある関東以南で行うとされる。県水産技術総合センターによると、宮城には黒潮暖流が強まる春ごろ、まだ成熟していない「稚ダコ」が流着。その多寡が資源量に直結するが、今年の海水温は年初から記録的に高かった分、比例して「流着量も多くなった可能性がある」と推察する。[....]