宮城県コウナゴ漁、期限待たず打ち切り

2022年5月16日

漁獲が一定量あった4年前の水揚げ風景。今年は再現が期待されたが…

 全国的に極度の不漁が続く中、3年ぶりの漁獲復活で注目を集めた宮城県沿岸のコウナゴ漁が今週末の操業期限を待たずに打ち切りとなった。序盤にまとまる兆しをみせたが、長くは続かず尻すぼみに。累計35トンに達した時点で生産者が自ら「来年のためにも獲り残した方がいい」と決断した。地元研究機関は「賢明」と評価しつつも、今年の復活は「低水温などの好条件が揃っただけ。資源量は極めて低位」とみており、継続保護の必要性を訴えている。

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 コウナゴは日本沿岸に広く分布するイカナゴの稚魚のこと。小さいほど価値があるとされ、釜揚げや天日干、佃煮は伝統食品として根強い人気を誇る。原因は定かでないが、漁獲量は全国的に落ち込みが顕著。宮城県も例外ではなく、直近5年は2017年が2830トン、18年が825トン、19年が26トン、20年と21年はほぼ皆無だった。[....]