大間など3漁協で60トン、クロマグロ漁獲未報告

2022年8月23日

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クロマグロ漁獲報告義務違反再発防止策のポイント(青森県農林水産部)

 青森県はJF大間漁協など県内3つの漁協でクロマグロ漁獲の未報告が2021管理年度に合計59・8トンあったとする調査結果を明らかにした。報告義務に違反した漁業者に対し、同県は漁業法などの規定に基づき停泊命令などの処分を実施する方向だ。未報告数量は今年度以降の同県の枠から差し引かれる。青森県は水産庁と対応を協議する。また、再発防止策として国に対しても漁獲証明制度の導入を要請していくとしている。

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 3漁協は、大間町内の大間漁協とJF奥戸(おこっぺ)漁協、むつ市のJF大畑町漁協で、漁協ごとの内訳は明らかにしていない。ほとんどは大間漁協所属の漁業者によるものとみられる。同じ大間町内の奥戸漁協所属漁業者の分と合わせ、「大間産」クロマグロの信頼は大きく揺らぐ。

 同県の説明によると、21年8月に水産庁に青森県産クロマグロの漁獲量に関する疑義情報が寄せられたのを受け、県単独で同年9月と12月に産地仲買業者と漁業者を対象に調査を行った。

 3月には水産庁も乗り出し、青森県と共同で産地仲買業者に対する立ち入り検査を行った。その後も県単独で5月に漁業者20人を調査、6月に産地仲買業者への再検査を実施して、漁獲未報告の数量を59・8?(30?以上の大型魚59?、小型魚0・8?)と確定したという。

 21年度が終わっても報告されていなかった報告義務違反は、大型魚で54・9?、漁獲翌月までの期限は守れなかったものの、年度内に追加報告した報告期限違反が4・1?だった。

 国が青森県に割り振った21管理年度のクロマグロ漁獲上限は大型魚543・1?で、漁獲量449・4?を差し引き93・7?も枠に余裕があった。しかし、53・4?は枠を必要とする他県に融通しており、未消化分は40・3?だった。発覚した未報告分の漁獲は、今年度の漁獲枠から一括もしくは複数年度に分割して差し引かれることになる。

 再発防止策として、青森県は今年6月からすでに大型魚については1尾ごとに水揚げ日や重量を報告するよう、漁業者に求めている。漁業者による漁獲報告が徹底されるよう、漁協のほか産地仲買業者にも協力を求めるほか、漁獲証明制度の導入も国に働き掛ける。 [....]