三陸イサダ漁、魚価暴落で操業打ち切り

2023年4月11日

典型的な“豊漁貧乏”となった今年の三陸イサダ漁

 三陸沿岸のイサダ(オキアミ)漁が魚価暴落で打ち切りとなった。漁獲は「豊漁」とされた昨年を上回るハイペースだったが、それがあだとなって陸上在庫量は瞬く間に適正水準を突破。キロ100円で始まった浜値はみるみる下がり、漁業者の誰もが「完全に赤字」と嘆く30円台にまで落ち込んだ。加工業者が「もういらない」との意向を示したため、漁期中の魚価回復は絶望的と判断。今月末に設定されていた漁期期限を待たず、代表者協議を経て岩手県が先週3日、宮城県が5日に操業を終えた。

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 今年は漁獲枠を各県1万5000トン、合計3万トンに設定。岩手は2月16日、宮城は3月1日に操業を解禁した。事前調査ではここ数年続く黒潮強勢に変わりはなく、漁獲は「厳しい」とされていたが、予測に反してイサダの好む7度C前後の親潮冷水帯が南下。沖合ではあったが、宮城の北部まで広範に漁場が形成され、序盤からまとまった水揚げが続いた。[....]