三陸イサダ漁/序盤は「最悪」の昨年をも下回る

2021年3月16日

 三陸のイサダ(オキアミ)漁が極度の不振に見舞われている。解禁から半月余り、序盤の段階ではあるが、天候・漁場ともに悪条件が続き、水揚げは「最悪」とされた昨年の8割以下に低迷。浜値は在庫の底払いを背景に3倍超にまで跳ね上がり、漁業者も加工業者も「イサダは春先の貴重な収益源。早く好転してほしい」と切実な願いを寄せている。

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 今年の三陸イサダ漁は岩手県が先月18日、宮城県が今月1日に解禁された。しかし出足の操業環境は芳しくなく、水温や潮流の影響で群れが広範囲に薄く分布しているため、操業のたびに「漁場を探すのに四苦八苦している」と生産者。満船を成し遂げるのが難しいうえ、強風で出漁自体の見合わせを強いられる日も多く、10日現在の水揚実績(概数)は両県合計で前年同期比20・1%減の675トンにとどまる。[....]