マグロ未報告解明へ、青森県が聞き取り調査

2021年12月24日

 青森県は23日、東京・豊洲市場初セリの常連である大間産クロマグロの漁業者らを対象に漁獲未報告があったとして漁業者らへの聞き取りを始めたようだ。

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 大間産クロマグロをめぐっては今年9月、普段は扱いのない静岡市中央卸売市場に合計30トン近い大間産クロマグロが出荷されたことを契機に、水産庁と青森県がJF大間漁協に対して組合員による漁獲報告と出荷状況の再調査を促していた。

 クロマグロの漁獲報告は一般的に漁協が取りまとめて県に報告する。しかし、大間では漁協以外の出荷業者が数社あり、組合員が業者を指定して出荷する割合の方が多く、漁協が漁獲情報を完全に捕捉することが難しい。

 別表のように、2020年度(20年4月?21年3月の管理年度)の場合、豊洲市場には約177?の大間産クロマグロが出荷されているが、大間町内の漁協である大間漁協、JF奥戸(おこっぺ)漁協による出荷は4割に満たない。

 これまでに一部の漁業者から報告漏れの申し出があり、漁協は青森県への報告を修正したとされる。

 大間の漁業関係者によると、青森県は報告を修正した漁業者らに加えて、出荷を取り扱った業者からも話を聞くもようだ。

 国際合意に基づいて漁獲量を制限している太平洋クロマグロは、沿岸であっても広域漁業調整委員会の承認を受けた漁船でなければ漁獲できず、漁業者は漁獲量を都道府県知事に報告する義務を負う。[....]